2012 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣チョコレート嚢腫上皮の不死化、癌化による多段階発癌モデルの構築と分子標的探索
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23390387
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
京 哲 金沢大学, 医学系, 講師 (50272969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 正博 金沢大学, 大学病院, 助教 (20313661)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / チョコレート嚢胞 / 癌化 / 不死化 |
Research Abstract |
近年、卵巣チョコレート嚢胞の癌化が問題となっているが、その発生メカニズムは明らかになっていない。本研究では、卵巣チョコレート嚢胞上皮細胞を手術検体から純化し、我々がこれまでに開発してきた上皮細胞不死化プログラムを用いて延命、不死化細胞を樹立することをまず第一の目的とした。その結果レンチウイルスベクターシステムによるcyclinD1/cdk4/TERTの遺伝子導入にて安定的に継代可能な不死化細胞を樹立し得た。従来のHPV E6/E7とTERTの組み合わせにても同様に不死化に成功したが、本研究ではウイルス癌遺伝子を用いない系を目指しており、以後の実験はcyclinD1/cdk4/TERTにて不死化した内膜症上皮不死化細胞を用いることとした。なお本細胞は微量であるがER, PRを発現しており、プロゲステロン反応性を保持していることを確認した。またマウス造腫瘍能などの癌化形質は獲得していないことも確認済みである。 その後これらの不死化細胞に様々な遺伝子操作を加え、癌化形質を持つ細胞の作成に取り組んだ。 具体的に導入した癌遺伝子はc-myc, Bcl-2, activated AKT, K-ras, dominant negative p53などであり、 そのうちK-ras,dominant negative p53の導入に加え、c-mycにて軟寒天培地でのコロニー形成能を確認した。 c-mycにさらにBcl-2を過剰発現させることでコロニー形成高率は増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
卵巣チョコレート嚢腫上皮細胞由来の不死化細胞から、得意の遺伝子導入によりin vitroでの造腫瘍能獲得実験に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
K-ras, p53不活化、mycの導入にて卵巣チョコレート嚢腫上皮がin vitroでの造腫瘍能を獲得する分子機構をさらに詳細に検討する。また臨床材料にて、mycの活性化 K-ras変異やp53不活化がどの程度起こっているのかも明らかにし、in vitroでの結果との照合を行う。
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Research Products
(1 results)