2011 Fiscal Year Annual Research Report
胚特異的糖鎖抗原を介した母体の胚認識および胚着床・胎盤形成誘導機構の解析
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23390389
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30252456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
西 英一郎 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30362528)
佐藤 幸保 京都大学, 医学研究科, 助教 (00508236)
服部 明 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (50300893)
荒木 慶彦 順天堂大学, 医学研究科, 准教授 (70250933)
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Keywords | 糖鎖抗原 / 胚認識 / 胚着床 / 胎盤形成 / 免疫細胞 |
Research Abstract |
本研究は平成20-22年度基盤研究(B)「生殖過程における組織再構築機構の解析-体循環細胞による再生機序の解明を目指して-」および平成22年度萌芽研究「免疫系による発生初期胚の認識機構-透明帯を利用した哺乳類の着床誘導戦略の証明-」の成果として、透明帯の分解産物が胚特異的な糖鎖構造を介して免疫系に胚存在のシグナルを母体に伝達すること、また新しく同定されたlaeverinが胚由来の特異的な糖蛋白として免疫細胞に作用する可能性が示されことなどの知見に基づき計画された。具体的には、透明帯の免疫細胞に対する作用および傍大動脈リンパ節への免疫シグナル伝達様式を明らかにし、さらに末梢血免疫細胞と血小板の子宮内膜とtrophoblastへの作用およびlaeverinの免疫細胞への作用を解析して、1)透明帯や血小板を利用した着床不全の治療法,2)習慣流産の診断と治療法、3)胎盤形成不全の早期診断と治療法を開発することを目的とした。初年度の成果としてはマウス透明帯を免疫細胞に作用させた場合にdendritic cellおよびT cellの中に活性化する細胞群が発見できた。またlaeverinが様々な糖鎖構造を有する糖タンパクであり、妊娠の極めて初期の段階から分泌されていること、さらにHLA-Gとともに胚の免疫寛容獲得に関与している可能性が新たに示された。これらの知見はlaeverinが母体組織に浸潤していく絨毛外栄養膜細胞からの新規の胚シグナルであることを示唆しており、生殖生理学的見地から重要な発見と位置づけられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無理がない実験計画であったこともあり、初年度としては建設的な成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は概ね順調に進行しているが、ウシを用いた実験が必要となったため、平成23年度の最終期から新たな研究分担者として東京大学農学部の今川和彦博士に加わっていただいた。今後はウシの透明帯の糖鎖解析を加えて、大型動物で着床実験を行い、免疫細胞の機能解析と臨床応用に向かって有効な知見の蓄積を目指す。
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Research Products
(5 results)