2012 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋底外科における低侵襲かつ安全な頭蓋顔面アプローチ法の確立に関する研究
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23390394
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岸本 誠司 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30115828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 篤信 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00280983)
杉本 太郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (60262177)
秋田 恵一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80231819)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 頭蓋底手術 / 骨血流 / 耳管解剖 |
Research Abstract |
1) 解剖学的研究による、形態的・機能的障害がより少ない低侵襲かつ安全な新たな術式の開発 a) Total facial dismasking approach 法の開発:解剖学的検討から、Facial dismasking approach法に新たな顔面骨切り法を組み合わせることで、副咽頭間隙や上咽頭を大きく安全に展開する術式を開発した。Maxillo-orbit-zygomatic approachと命名し、これまで5例に本術式を適用し、整容的・機能的に良好な結果を得ている。主な対象疾患は若年性鼻咽腔血管線維腫である。 b) 側頭下窩における頸動脈管および耳管の臨床解剖:解剖体を用いた検討が行われており、その成果は今後臨床に応用していく予定である。 2)術中血流評価による頭蓋底手術における安全な頭蓋顔面骨の一時的離断法の開発 インドシアニングリーン蛍光測定法を用いて、Maxillary swing法、Le Fort I法さらにOrbitozygomatic法において有茎骨弁として離断した骨の血流を測定した。その結果、微弱ながらも骨血流が認められることから有茎とすることの意義が確認された。さらに形成外科との共同研究としてインドシアニングリーン蛍光測定法を用いて側頭筋骨膜弁および頭蓋骨膜弁の血流測定を行っている。これにより血流の面から安全に挙上できる骨膜弁の範囲が確認でき頭蓋底手術における安全な再建が行えるようになっている。現在、症例を集積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ICG測定を行う症例数が目標に達していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
血流の確認された有茎骨弁および血流の遮断された遊離骨弁の術後吸収の程度を長期的に観察し血流温存の意義を明らかにしていく。さらにより合併症が少なく低侵襲の頭蓋底手術術式を開発していく。
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