2011 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚創傷治癒過程におけるKeap1-Nrf2システムの役割と新規瘢痕予防薬の開発
Project/Area Number |
23390407
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関堂 充 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40372255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241827)
石井 哲郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20111370)
柳川 徹 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10312852)
蕨 栄治 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70396612)
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Keywords | 皮膚創傷治癒 / 線維化抑制 / 転写因子 / 炎症シグナル伝達 / 動物モデル |
Research Abstract |
ケロイド・肥厚性瘢痕は創傷治癒過程において、繊維芽細胞の異常増殖とコラーゲンの過剰産生、蓄積により生じた良性腫瘍である。その発生過程には、炎症性サイトカインに加えて活性酸素の産生増加の増加が著明に認められることから、治療の標的としてこれらの因子の制御が重要であると考えられる。 転写因子Nrf2はその活性化により一連の抗酸化ストレス応答遺伝子、異物代謝遺伝子の発現を統一的に正に制御することが明らかになっており、細胞、個体レベルにおけるストレス防御の鍵因子となっている。本研究では、Nrf2欠損(ノックアウト)、Nrf2過剰発現(Keap1ノックダウン)、野生型マウス由来の培養細胞、および個体を用いて、ケロイド・肥厚性瘢痕の発生と進展におけるNrf2の抑止効果、役割を明らかにすることを目的としている。 本年度はまず、in vitroにおける酸化ストレス応答の解析を行うために上記3系統のマウス胎児から繊維芽細胞の単離、培養を行い、細胞株を樹立した。これらの細胞の増殖速度、形態には大きな差異は認められなかった。次に通常培養条件下における抗酸化ストレス応答遺伝子の発現量をリアルタイムPCR法、およびタンパク質レベルについてはウエスタンブロットにより解析した。発現量は解析したものほとんどが、Keap1ノックダウン>野生型>Nrf2ノックアウトとなっており、Nrf2の発現量と相関していた。今後、これらの細胞を用いて、scratch wound healingアッセイにより創傷治癒との関係を解析して行く予定である。また、次年度に行う個体における解析のために大規模な繁殖を行い、解析に充分な個体数を得るための飼育を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vitro実験は計画通りに進行しており、マウス個体を用いた実験のための準備、繁殖も問題ない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画に従って、in vitro、in vivoの実験を進めて行く。次年度に予定しているNrf2活性化剤を用いた実験についても、進捗により一部前倒しして行う。
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Research Products
(5 results)