2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390409
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河合 勝也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90273458)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 茂彦 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30187728)
森本 尚樹 関西医科大学, 医学部, 講師 (40378641)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 人工真皮 / 細胞増殖因子 / 難治性皮膚疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれはコラーゲンおよびゼラチンから成る塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)徐放可能な人工真皮を開発し、その安全性有効性を確認している。しかしbfGF単独で得られる効果には限度がある。 本研究は、bfGF以外にも種々の生理活性物質保持能力を付加した高機能人工真皮を開発することを目的とする。それにより治療に難渋する難治性皮膚疾患に対する画期的な治療となり得る。 まず、高機能付加新規人工真皮の細胞増殖因子保持性能を検討した。正電荷を持つ細胞増殖因子(bFGF)とはイオン結合による保持性能および徐放性能が確認できた。次に負電荷を持つ細胞増殖因子として上皮細胞増殖因子(EGF)を保持するために人工真皮のゼラチンをカチオン化することが必要であることが判明した。そこでカチオン化ゼラチンを作製し、正電荷および負電荷ともに細胞増殖因子を保持することが可能な高機能付加人工真皮を作製した。 さらに、新規人工真皮の細胞増殖因子徐放性能について検討を行った。bFGFは徐放可能であることは確認できた。しかしEGFでは、in vitroにおいてカチオン化ゼラチンからの徐放実験の分析結果から、当初の想定に反して期待したような徐放が得られず本研究遂行に支障をきたすことが予測されたため、負電荷の細胞増殖因子の徐放ではなく、正電荷の細胞増殖因子のデュアル徐放を行うことを検討した。bFGFおよび肝細胞増殖因子(HGF)を用いた徐放性能について評価を行うこととした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新規人工真皮の細胞増殖因子徐放性能について検討を行い。bFGFは徐放可能であることは確認できた。しかし、EGFではin vitroにおけるカチオン化ゼラチンからの徐放実験結果を分析したところ、当初の想定に反して期待したような徐放が得られず、本研究遂行に支障をきたすことが予想されたため、初期設定から実験条件の検討を行うこと必要となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
難治性皮膚疾患に対する新規治療法の開発という本研究の目的を達成するために、当初予定していた正電荷および負電荷ともに徐放可能な高機能付加人工真皮の開発ではなく、負電荷物質の徐放計画から正電荷物質の多因子徐放計画に変更して新規人工真皮の開発を行い、多因子徐放性人工真皮による創傷治癒の検討を行うこととした。
|