2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜ルフィニ神経終末の発生・再生に関わる新規イオンチャネルの役割
Project/Area Number |
23390418
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80242436)
井上 佳世子 (野澤 佳世子) 新潟大学, 医歯学系, 特任准教授 (90303130)
河野 芳朗 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60303129)
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Keywords | 歯根膜 / ASIC / ルフィニ神経終末 / 機械受容器 / 免疫細胞化学 / イオンチャネル / 三叉神経節 / 定量解析 |
Research Abstract |
本研究は機械受容性イオンチャネルとして注目されるacid-sensing ion channel (ASIC) familyの歯根膜ルフィニ神経終末における発現を成体および発生過程におけるタンパクおよび遺伝子レベルで追求することを第一の目的としている。今年度は成体ならびに発生過程におけるASIC familyの局在の追求を行った。実験動物としてマウスを用いた。 (1)三叉神経節におけるASIC familyの遺伝子発現の検討 ASIC1,2,3,4の遺伝子発現を歯根膜ルフィニ神経終末を支配する三叉神経節で検討したところ、いずれの遺伝子発現が確認された。遺伝子発現結果および市販のASIC抗体のデータベース検索、western blot法により、標的イオンチャネルをASIC3に設定した。 (2)三叉神経節におけるASIC3の免疫細胞化学的同定 ASIC3抗体を用いた免疫細胞化学により、約25%の三叉神経節ニューロンがASIC3陽性を示し、陽性ニューロンの面積を画像解析法で検索すると、そのうち38%が400-800μm^2の中型ニューロンであった。 (3)三叉神経節におけるASIC3の遺伝子化学的同定 ASIC3のcRNAプローベを自作し、三叉神経節でin situ hybridization組織化学を行ったところ、(2)と同様の結果を得た。 (4)歯根膜におけるASIC3タンパクの局在の検討 免疫染色により樹枝状を示すルフィニ神経終末がASIC3強陽性を示した。神経要素マーカーあるいはシュワン細胞マーカーとの二重蛍光染色により、ASIC3はルフィニ神経終末の軸索に局在していた。 以上の結果から、三叉神経節の機械受容を担う中型ニューロンで合成されたASIC3が歯根膜ルフィニ神経終末に運ばれることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度計画では発生過程におけるASICの変動を追求する予定であったが、標的物質をASIC3に絞ることに時間を要し、またASIC3のcRNAプローベの作成に時間を要したため、発生過程における変動の解明が遅れ気味であった。しかしながら、特異性の高いcRNAプローベが完成したことにより、この遅れは次年度に挽回可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ASIC3にターゲットを絞ることができたことから、今後の研究遂行は容易に進むと考えられる。また、研究計画2,3年目に実施予定であるASIC3ノックアウトマウスの解析は、当初、自作する予定であったが、国際学会で意見交換を行った研究者からASIC3ノックアウトマウスの試料を提供してもらうことが可能となったため、研究計画の遅れが挽回でき、当初の研究目標は十分達成可能と考えている
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[Presentation] Dental innervation2011
Author(s)
T.Maeda
Organizer
Congreso Magno De Egresados De Vuelta A Casa
Place of Presentation
コアウイラ自治大学,Torreon, Mexico(招待講演)
Year and Date
2011-09-16
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