2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23390429
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
新垣 理恵子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00193061)
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Keywords | 自己免疫疾患 / 性差 / 性ホルモン / Treg細胞 / Th17細胞 / シェーグレン症候群 / 唾液腺 |
Research Abstract |
自己免疫疾患は免疫調節のバランスがくずれ、自己に対して免疫応答を引き起こすことにより発症する疾患であり、近年、罹患率は上昇傾向にある。このような自己免疫疾患の大きな特徴はその殆どが加齢に伴って発症し、閉経期以降の女性に優位に発症することであり、自己免疫疾患発症に性ホルモンの影響が大きいと考えられる。申請者らは、最も女性優位に発症するシェーグレン症候群を代表的疾患として位置づけ、女性ホルモンと自己免疫疾発症との関わりを解明することを目的とした。 マウスに卵巣摘出を実施してエストロジェン欠乏状態を誘導すると、顎下腺・涙腺組織でのアポトーシスの増大とともに主要組織適合抗原クラスII(MHCII)発現の上昇を認めた。このような異所性MHCII発現の上昇はアポトーシス誘導のタイムコースと一致して卵巣摘出3週間後をピークとし、その後は減少傾向がみられ、10週以上経過しても炎症細胞浸潤は認められない。そこでエストロゲン欠乏に依存した局所への免疫細胞移動やそのサブセットを解所するためにシェーグレン症候群モデルマウスとして認められているNODマウスを利用した。NODマウスに卵巣摘出を施すと唾液腺への炎症浸潤は未処置群に比較して早期に出現しその程度も増悪した。唾液腺浸潤T細胞のサブセットを解析するとIFN-γ産生Th1細胞およびIL-7産生Th17細胞が優位に増加していた。Th17から産生されるIL-17は唾液腺上皮細胞からTNFのような炎症性サイトカイン産生を誘導した。またエストロゲン欠乏によるTh17細胞数上昇は脾臓では優位に認められないが所属リンパ節(頸部リンパ節)では優位に上昇していた。最近、ダイオキシン受容体として知られるaryl hydrocarbon receptor (Ahr)がT細胞のTh17細胞への分化に関わっていることが明らかになってきたが、唾液腺組織および頸部リンパ節において、エストロゲン欠乏・病態憎悪に相関してAhr発現が強くなっていることを確認した。現在、炎症性細胞浸潤に関わるケモカインおよびその受容体の動態を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エストロゲン欠乏に依存する炎症性細胞の標的臓器への浸潤メカニズムを解析することを当該年度の目標としており、Th17細胞の個体全体での動きや病態憎悪への関与を明らかにした点で、大筋の目標は達成できたと考えているが、さらに詳細な検討を必要とする。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の結果より解析する浸潤細胞をTh17細胞中心に検討することとし、Th17分化誘導に関わる転写因子や浸潤に関わるケモカイン等を詳細に検討する計画である。
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Research Products
(10 results)