2012 Fiscal Year Annual Research Report
口腔の機能性因子と炎症性因子がメタボリックシンドローム発症に及ぼす影響
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23390441
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野 高裕 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (30204241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 喜弘 独立行政法人国立循環器病研究センター, 予防健診部, 医長 (20393217)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / 歯周病 / 咀嚼 / 口腔健康 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
今年度は、前年度に続き検診データの収集にあたり、研究開始時(H20年)からの累積被験者数が約2,000名となった。また、以下の項目について横断解析を行い成果発表を行った。 1)頸動脈中内膜肥厚と歯周病、咀嚼能力との関係:頸動脈エコー検査によって測定された平均中内膜厚さ(IMT)の増加とCPI検査によって得られた歯周病罹患、ならびにグミゼリーを用いて測定した咀嚼能率の低下との間に関連を認めた。特に咀嚼能率低下との関連については、歯周病罹患の影響を調整しても有意となり、咀嚼能力の低下と動脈硬化との関連性が示唆された。 2)歯周病罹患の咀嚼能力に対する影響:咬合支持域がすべて揃っているEichnerA1群と咬合支持が崩壊寸前のEichnerA3群において、歯周ポケットの存在と重度歯周病罹患により、咀嚼能率が有意に低下することが示された。また、義歯使用者においては、咬合支持域が減少したEichnerB2,B3群において、同様の影響が認められた。 3)口腔健康と食行動との関係:口腔健康と肥満と関連する食行動との関連について、臼歯部咬合支持喪失とは5項目(欠食,遅い夕食,夕食後の間食,甘い飲料,間食),咬合力低下群とは2項目(欠食,甘い飲料),「機能歯数」とは2項目(欠食,甘い飲料),咀嚼能率低下とは1項目(甘い飲料)との間に関連が見られた. これらの解析の他に、唾液中バイオマーカーならびに歯周病菌のPCR解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.平成20年からの累積データ数は2,000名に近づいたが、今年度のデータ取得数はやや減少したため、当初予定の3,000名に到達するのはやや困難と思われる。 2.歯数、咬合支持、咬合力、咀嚼能率、歯周病と内科的検診項目との関連について横断解析が進みつつあり、唾液中の炎症性バイオマーカー、歯周病菌数(菌種)についても生化学的・分子生物学的解析を行っている。次年度はこれらの項目について、内科的検診項目との関連について解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は最終年度に当たるため、可及的なデータ数の増加を図るとともに、将来のコホート研究に備えて再評価のデータも採取する予定である。最終的には、以下の項目について横断解析を行った結果を発表する。 1.歯周病、歯数、咀嚼能力とMetS因子(肥満、高血圧、血清脂質異常、耐糖能異常、頸動脈狭窄度)ならびにメタボリックシンドローム罹患との関連 2.歯数、咀嚼能力と食行動との関連 3.炎症性バイオマーカーと歯周病罹患との関連 4.唾液中の歯周病菌数(菌種)と耐糖能障害との関連
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Research Products
(4 results)