2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子間クロストークを応用したFGF-2の歯周組織再生効果の増強と適応拡大への挑戦
Project/Area Number |
23390452
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北村 正博 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10243247)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (90524984)
竹立 匡秀 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (60452447)
|
Keywords | FGF-2 / 歯周組織 / 再生医療 |
Research Abstract |
1、FGF-2を用いた歯周組織再生療法の施行約8年の予後を調査した結果、0.3%FGF-2投与群がフラップ手術単独群と比較して再治療等のイベント発生までの期間を延長させることが示された。そして、フラップ手術単独群のイベントの発生率は5年以降に増加する傾向が認められ、治療による長期的予後の違いを検討するには8年以上の観察期間を要することが示唆された。また、観察期間に安全性に関する問題は認めなかった。 2、ビーグル犬の上顎両側犬歯に人工的に歯周組織裂開状欠損モデルを作成し、治癒状況を確認するとともに、欠損作製6週後にと殺し、被験部の組織学的検索法とマイクロCTによる骨組織評価を行った。その結果、ビーグル犬裂開モデルにおいて、歯槽骨などの歯周組織が部分的に回復することが明らかとなり、歯周組織の裂開状欠損におけるFGF-2の歯周組織再性能を評価できるビーグル犬裂開モデルが確立できた。 3、ヒト脂肪組織由来幹細胞(ADSC)を石灰化誘導培地で硬組織形成細胞へと分化誘導した結果、RUNX-2およびPLAP-1mRNA発現の経時的な増加とALPase活性の上昇を認め、著明な石灰化ノジュール形成を認めたことから、ADSCの硬組織形成細胞への分化能が確認された。 4、マウス歯根膜細胞(MPDL22)における血管内皮細胞増殖因子(VEGF)産生とその受容体発現に対するFGF-2の影響を検討した結果、FGF-2濃度依存的にVEGFmRNA発現とそのタンパクレベルでの産生の増加が認められた。また、VEGF受容体に関しては、FGF-2濃度依存的にVEGFR-1mRNAの発現が誘導されることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に予定した本年度の研究計画を、概ね計画通り遂行できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究計画を概ね予定通り遂行できたことから、次年度は、(1)FGF-2を用いた歯周組織再生療法の長期予後の生存時間解析、(2)ビーグル犬裂開モデルなどを用いたFGF-2およびADSCの歯周組織再生効果の検討、(3)FGF-2の血管内皮細胞の管腔形成能に及ぼす影響および(4)歯根膜細胞におけるFGF-2刺激による歯周組織再生関連シグナル伝達機構のクロストーク解析を当初の研究計画に従い予定している。
|