2011 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞を用いたバイオ歯移植による革新的う蝕治療法の基盤研究開発
Project/Area Number |
23390456
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
中島 美砂子 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 室長 (20207773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庵原 耕一郎 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 研究員 (60435865)
渡邉 淳 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 共同利用推進室, 室長 (90321843)
中村 洋 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40064878)
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Keywords | 細管象牙質形成 / 加圧刺激 / 歯髄幹細胞 / iPS細胞 / 間葉系幹細胞 / う蝕治療 |
Research Abstract |
本研究は、深いう蝕や一部性歯髄炎において、iPS細胞を用いた細管象牙質再生により元通りの歯に戻す新しいう蝕・歯髄炎治療法の基盤研究開発をめざす。すなわち、歯欠損部に適合する形態の穴加工シリコーン膜上にiPS細胞を播種し、垂直加圧を加えることにより短時間にin vitroで象牙芽細胞に分化させ、作製したバイオ歯をイヌの歯髄露出面に移植して細管象牙質を再生する。また、加圧による象牙芽細胞への分化メカニズムを分子生物学的および蛋白化学的解析により解明することを目的とする。本年度は、まず、穴加工シリコーン膜上にコントロールの歯髄幹細胞を播種し、垂直加圧の加圧強さ、播種細胞数、加圧時間を変化させ、Real-time RT-PCRおよび共焦点レーザー顕微鏡により、象牙芽細胞分化誘導に最適な条件を詳細に検討した。その結果、加圧強さ19.6kPa、播種細胞数4.0×10^5cells/cm^2、加圧9時間で象牙芽細胞マーカー(DSPPおよびEnamelysin)のmRNA発現が最も高かった。また、上記の条件下においては、シリコーン膜のほぼ90%以上の細孔に細胞が突起を伸長させていることを観察した。一方、加圧による分化誘導メカニズムを検討するため、最適な加圧を行う前後および加圧の有無によるmRNA発現の違いをマイクロアレイにて比較した。その結果、加圧刺激によりDNA複製ライセンス化反応に関与する遺伝子の発現の上昇がみられ、加圧刺激時間依存的にTGF-β1の発現上昇を確認した。現在、他組織間葉系幹細胞およびiPS細胞を用いて、同様に分化誘導実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他組織幹細胞やiPS細胞の分化誘導に最適な加圧条件を決定する前に、コントロールの歯髄幹細胞の加圧の最適条件をより詳細に決定する必要があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
他組織間葉系幹細胞およびiPS細胞を用いて、歯髄幹細胞と同様の最適加圧条件により分化誘導を行い、象牙芽細胞分化誘導とそのメカニズムを検討する。
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Research Products
(12 results)