2012 Fiscal Year Annual Research Report
変形性顎関節症における関節潤滑能の改善と軟骨修復・再生の有用性
Project/Area Number |
23390474
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
丹根 一夫 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 教授 (30159032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 幸太郎 広島大学, 病院, 講師 (20322240)
本川 雅英 広島大学, 病院, 病院助教 (90457268)
丹根 由起 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 助教 (50526241)
國松 亮 広島大学, 病院, 歯科診療医 (40580915)
廣瀬 尚人 広島大学, 病院, 歯科診療医 (50611935)
吉岡 基子 広島大学, 病院, 歯科診療医 (00612003)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 歯学 / 再生医学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 生理活性 |
Research Abstract |
本年度では、早期の顎関節症やその進行予防を目的としてヒアルロン酸(HA)の抗炎症効果、SZPの相互関係の詳細について検討を行い、潤滑機能改善効果や限界を明らかにした。 1.HAレセプターのブロックがSZP発現に及ぼす影響:抗ICAM-1中和抗体添加による遮断実験を行ったところ、SZP遺伝子発現はコントロールと比較して有意な低下を認めたことより、高分子HAのSZP発現調節にはCD44だけでなくICAM-1が関与していることが明らかとなった。 2.HA添加によるシグナリング経路の解明:培養ブタ下顎頭軟骨表層細胞(MSF)への高分子HA添加が、p38MAPK, JNK,ERK, NFkB, Aktシグナル発現に及ぼす影響についてWestern Blot解析を行ったところ、リン酸化には変化を認めなかった。このことから、高分子HA添加は、MAPK経路の中でもERKリン酸化のみを亢進させることが明らかとなった。さらに、MSFへのERK遮断薬添加がSZP遺伝子発現に及ぼす影響について検討を行った結果、ERK遮断薬添加によりSZP遺伝子発現を有意に低下した。したがってSZP遺伝子発現のシグナル伝達経路において、ERKが関与していることが明らかとなった。 3.滑液中分子の粒径分布の解析:滑液中に存在する分子の粒径分布を動的光散乱法により計測したところ、炎症状態の関節ではより低分子の分布が増加することが示された。 4.コラーゲン-ヒアルロン酸混合ゲルを用いた軟骨への分化誘導:コラーゲンゲル内でMSCを20日間培養し、軟骨分化誘導を行った結果、HA添加群では、sGAG量が有意に増加した。また、軟骨分化マーカー遺伝子の発現量を検討した結果、II型コラーゲンの遺伝子発現量はHA添加群において有意に増加していた。以上のことより、HAはMSCの軟骨細胞への分化を促進することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究は、当初の計画通りおおむね順調に進展している。しかし、コラーゲンゲル中でMSCの軟骨分化を達成するために細胞播種密度が重要であり、この検討に時間を要したため、当初予定していた滑膜細胞を用いた表層線維層の再生実験を今年度行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず滑膜細胞を用いて表層線維層を再生させ、免疫組織学的検討を行う。さらに、下顎頭軟骨欠損モデルを作製し、下顎頭軟骨再生の評価検討を行う予定である。
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Research Products
(4 results)