2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハニカムマイクロアレイを用いた次世代型歯周組織再生医療の創生
Project/Area Number |
23390475
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石幡 浩志 東北大学, 病院, 助教 (40261523)
根本 英二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (40292221)
鈴木 治 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60374948)
金谷 聡介 東北大学, 病院, 医員 (80375097)
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Keywords | 歯周組織再生 / スキャフォールド / 歯根膜細胞 / ハニカムフィルム / 生体模倣 |
Research Abstract |
本研究は、細胞に対してトポグラフィーを有するハニカムマイクロアレイフィルムを応用した進化型歯周組織再生治療を創生することを目的として、スキャフォールド技術と細胞環境コントロールを組み合わせることを着想した。ハニカムフィルムに作製した歯根膜細胞シートとサイトカインあるいは細胞外無機イオン(Ca^<2+>,PO_4^<2->)を同時に投与することで、より細胞にとってbiomimetics(生体模倣)に優れた環境を与えて、高い効率で歯周組織再生を行おうというものである。平成23年度は(1)ハニカムフィルムの開発ならびに(2)歯根膜(PDL)細胞に与える細胞外無機イオンの影響と無機イオン徐放性担体の開発を目指して研究を進めた。まずPDL細胞シート作製の至適条件を明らかにするために、polysterene (Pst)およびpoly(ε-caprolactone)(PCL)製のハニカムフィルムを作製して同フィルム上でPDL細胞を培養して4週間後に増殖と分化を評価した。その結果、孔径10μmのフィルムではいずれの材料を用いて生成してもPDL細胞がシート状構造を形成することが明らかとなった。一方、PDL細胞の分化についてオステオポンティン(OPN)発現および石灰化能を指標として検討したところ、Pst製フィルム上で培養した場合にはOPN mRNAおよびタンパク発現の上昇に加えて石灰化ノジュールの形成を生じることが示された。以上の結果からハニカムフィルムによるトポグラフィー効果は単にPDL細胞の増殖のみならず分化を亢進することが分かった。ただし硬い(リジッドな)材料の方が、分化誘導効果が高いため次年度にさらに検討を行う予定である。またPDL細胞のin vitro培養時に細胞外無機イオン(Ca^<2+>,PO_4^<2->)を上昇させるとBMP-2発現が上昇することも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回明らかになったハニカムフィルムがヒト歯根膜細胞の増殖のみならず分化をも誘導するという知見は、サイトカイン療法に頼らずともスキャフォールド自体が細胞にインタラクティブに働くということを明らかに示すもので、今後の研究を遂行する上でキーとなるものであるため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は予定通りに推進する。免疫不全動物については当初予定していたSCIDマウスに加えて、ヌードマウスあるいはヌードラットを用いた実験を行う予定である。
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Research Products
(6 results)