2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハニカムマイクロアレイを用いた次世代型歯周組織再生医療の創生
Project/Area Number |
23390475
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島内 英俊 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70187425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石幡 浩志 東北大学, 大学病院, 助教 (40261523)
根本 英二 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40292221)
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60374948)
金谷 聡介 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80375097)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 歯周組織再生 / スキャフォールド |
Research Abstract |
平成24年度に本課題研究遂行の結果、以下に示す実績が得られた。まずハニカムフィルム(HF)がヒト歯根膜(PDL)細胞の増殖・分化に及ぼす影響について、各種分化マーカー発現を指標として検討を加えたところ、osteopontin (OPN)及びosteocalcin (OCN) mRNAの強発現がみられた。HF上でPDL細胞を4週間培養することによりOPNをタンパクレベルで発現したたばかりでなく、硬組織形成の開始をアリザリン染色で確認することができた、加えてHFの形態のみならず素材を操作することにより、PDL細胞の骨芽細胞の分化を選択的に操作できる可能性が示された。一方、HFと組み合わせるカルシウムキャリヤとしてnano-hydroxyapatite (nano-HA)を試したところ、nano-HAはCa2+あるいはPO42-イオンの徐放に依存することなく、nano粒子としてPDL細胞に作用することにより、同細胞のBMP-2発現を増強することが明らかとなった。またoctacalcium phosphate (OCP)についても硬組織形成に関わるタンパク質吸着のパターンをプロテオーム解析で調べたところ、HAとは異なる吸着パターンが見られたことから、今後OCPに吸着させるべき細胞増殖因子選択に関わる重要な情報が得られた。分泌型糖タンパクであるWnt5aがBMP-2依存性の骨芽細胞形成に関わるという新たな知見もあり、最終年度に向けて動物実験を進めていく重要な情報を得ることができたものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のうちin vitroでの系については予定を越える成果が得られており、歯根膜細胞の増殖・分化をコントロールし得るハニカムフィルムの素材や形態については概ね決定することができた。またそれと組み合わせるサイトカインや徐放性キャリヤについても、これまでの研究成果に加えて新たな可能性を見いだすことができた。一方、in vivoの系については予定より進捗にやや遅れがみられるため最終年度は動物実験に集中する。
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Strategy for Future Research Activity |
[現在までの達成度]で述べたようにin vitroの系については予定を達成しているため、平成25年度は動物実験を集中して実施する予定である。
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Research Products
(4 results)