2011 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜の傷害度・萎縮度と唾液性状を指標とした口腔粘膜傷害リスク評価法の提案
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23390479
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小関 健由 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80291128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 亮一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40547254)
丹田 奈緒子 東北大学, 病院, 助教 (00422121)
田浦 勝彦 東北大学, 病院, 講師 (90005083)
伊藤 恵美 東北大学, 大学院・歯学研究科, 技術一般職員 (80596817)
鈴木 治 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60374948)
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Keywords | 口腔粘膜 / 唾液 / 超音波診断 / がん治療 |
Research Abstract |
(1)口腔乾燥症により口腔内の微細な擦過傷を発生させる唾液側リスクの診断方法の設定:口腔乾燥症は口腔内を潤す唾液量の低下が直接原因であり、口腔内の微細な擦過傷に関わるのは、安静時唾液と刺激唾液の両方の減少が関与と考えられる。抗がん治療の化学療法や放射線療法を実施している患者の経時的な唾液分泌量と口腔内湿潤度に関しては、その計測値と口腔粘膜炎の発症の経過等の臨床データを蓄積中であるが、減少時の唾液採取が困難であることから、唾液の内容物に関しては現状として再検討が必要であり、検体採取法を生理的食塩水を用いた含漱法かスワブ法に変更する必要がある。現在、がん治療患者の治療経過データベースの制作を行っている。さらに、口腔内細菌叢の検索に関しては、16SrRNAの定量的PCR法による総菌数の測定を確立し、臨床サンプルの細菌数を算定可能となった。さらに各菌種の特定を目指したtRFLP細菌叢解析では、臨床サンプルの処理方法を検証し、解析装置に不足していた解析ソフト導入等の実験環境が整い、実験手法に習熟するセットアップも同時に行っている。一方、一般成人の刺激唾液に関しては、成人歯科健診の際に参加者の同意を得て刺激唾液を採取し、口腔内現象(現在歯数、健全歯数、歯周疾患の状況、口臭値など)と唾液分泌量、刺激唾液の生化学的物理学的性状(pH,緩衝能、唾液構成蛋白の解析など)、物理学的性状(曳糸性測定値など)の検索が進み、現在唾液中の蛋白成分と口腔内現症の関連を検索中である。 (2)口腔粘膜の萎縮や組織傷害による微細な擦過傷を発生させるホスト側傷害リスクの診断方法の設定に関する実験:口腔粘膜表層の萎縮度を評価するために、超音波ハプティック・センサを応用した口腔粘膜超音波検査器を制作し、調整中である。この超音波診断機は、低圧で痛みが少なく障害のある粘膜の計測に使用することとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔粘膜超音波検査器の実機の調整に時間を要したため。遅れに関しては平成24年度前期に実験の実施を集中させて回復予定。
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Strategy for Future Research Activity |
大きな問題は挙げられない。口腔乾燥症患者からの唾液サンプルの採取に関する諸問題に関しては、平成24年度後期の実験にて目処を立てて対応する予定
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