2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯髄幹細胞を用いた社会医学的普遍性のある革新的臓器再生医学の創生
Project/Area Number |
23390485
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
八重垣 健 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 貴 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (10366768)
石川 博 日本歯科大学, 生命歯学部, 客員教授 (30089784)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 再生医療 / 肝臓 / 歯髄 / 間葉系幹細胞 / 体性幹細胞 / 移植 / 無血清培地 / ヒト |
Research Abstract |
ヒト智歯、乳歯歯髄CD117(+)細胞を得た。昨年度報告したごとく4代ごとに本操作を繰り返し、70 doublings後も、未分化幹細胞として維持した。無血清培地を用いCD117(+)細胞を1% insulin-transferrin- selenium-x、100 mg/mL of embryotrophic factorを添加した無血清DMEMで培養した。70%Confluentで、20 ng/mL recombinant human hepatocyte growth factor、10 ng/mL Oncostatin M、10 nmol/L dexamethasone、1%Insulin-Transferrin- Selenium-Xを添加し肝臓様細胞を得た。Albumin、α-fetoprotein、insulin-like growth factor 1、hepatic nuclear factor 4αの免疫染色、glycogen storage、および尿素生成から肝臓様細胞であることを確認した。また硫化水素添加によりより成熟が有意に進行した。ヌードラット18匹にプログラフ免疫抑制し、6匹をコントロールとした。残り12匹は胆管を結紮し閉塞性肝硬変を作成した。6匹をpositive controlとし、6匹に上記の肝臓様細胞 107個を脾臓に移植した。4週間後、18匹から肝臓、脾臓、肺を採取するとともに、心臓から採血を行った。その結果、病理学的免疫組織学的検索では、移植によりヒト肝臓の大量の再生が確認できた。一方血液学的には、肝硬変のため以上に増加した白血球、総ビリルビンそしてBUNが、ヒト歯髄由来肝臓様細胞の移植により低下し、ヒトアルブミンも発現し肝硬変治癒を確認した。一方、異所性肝臓あるいは奇形種発生は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
閉塞性肝硬変を発症したラットに、ヒト歯髄由来肝臓様細胞 107個を脾臓に移植したところ、病理学的免疫組織学的検索および血液学的検索から、肝硬変の治癒が確認できた。一方、肺への肝臓様細胞の転移あるいは奇形種発生は認めなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2%FBS を含むDMEM に20 ng/ml HGFと10 ng/ml FGFを加え5日間培養し、αMEM に20 ng/ml HGF、20 ng/ml EGF、10 ng/ml FGF、100 µM βME、1%ETFを加え10日間培養して膵臓様分画を得る。6匹の糖尿病ラットの脾臓に、上記細胞を注射器で移植する。対照6匹にはPBSを注入する。4週間後、脾臓、膵臓を切除し、血液学的検索からヒト膵臓が機能していたか検討する。
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