2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390490
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
齋藤 やよい 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (40242200)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大黒 理惠 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (70510345)
大河原 知嘉子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (80632091)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 高齢者 / 食環境 / 昔語り / テキストマイニング / 二次元気分尺度 / 色彩 |
Outline of Annual Research Achievements |
意図的に色彩を配置して独自に作成した絵画を環境要因として、高齢者を対象とした主観的評価と脳血流データ解析を行った。 絵画の色彩データベースは、高齢者の今の気分や気持ちを表現する色彩と気分変化の関係から作成した。対象とした高齢者46名が識別可能な12の色カードと二次元気分尺度(TDMS)の関係では、選ばれた370枚の色カードに性差、年齢差はなく、オレンジ、ピンク、水色、黄色、紫の順に多く、暖色系68.4%、寒色系31.6%であった。TDMSとの関係では、暖色系の活性度、安定度、覚醒度は寒色系より有意に高く、快適度には差はなかった。 この成果をもとに会話を促し口腔環境を整えるための昔語りを促す絵画を作成し、その効果を脳血流と会話内容から調査した。絵画は研究協力者のイグジン橋口氏が作成し、会話データは録音内容から逐語録を作成し、テキストマイニング手法に基づき分析した。 総会話文数は対象者2,459文、ファシリテーター2,510文であり、語彙の豊富さを示すタイプトークン比は0.28と0.25で、対象者の方が高かった。対象者は語彙が豊富で、様々な種類の単語を使用して会話をしていた。共起関係にある単語同士の頻度をもとにした係り受け関係分析では絵画にある要素の存在を示す係り受けの頻度が高かった。「釜」-「炊く」、「料理」-「作る」、「ご飯」-「炊く」などの食事に関する係り受けは、絵の中の料理に関する描写をきっかけに、母親の料理に関する話題や、利用者がどのような料理を作るか、ご飯を炊くときの合言葉など、行動に関する話題であった。脳血流の変化とTDMS、および会話解析の間には有意な関係はなかった。 高齢者が好み、かつ活性度、安定度、覚醒度を上昇させる暖色系の色彩を用い、食を連想させるようなモチーフを用いた絵画は、自発的な会話を促進し、口腔機能を高める効果が期待できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
テキストマイニングによる解析を担当する予定であった研究分担者の出産および育児休業に伴い、解析作業が遅れた。しかし、研究期間の延長により平成26年度予定と並行して、解析を進め、約6ヶ月遅れで平成25年度の目的を達成した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長により平成26年度予定と並行して、遅れていた解析を進め、約6ヶ月遅れで平成25年度の目的を達成した。平成26年度は予定どおり遂行しており、研究計画の変更はない。
|