2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390490
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
齋藤 やよい 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (40242200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大黒 理惠 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (70510345)
大河原 知嘉子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (80632091)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 色彩 / 口腔機能 / 会話 / 要介護高齢者 / 食環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に作成した色彩データベースに基づく絵画を用い、介護老人保健施設の要介護高齢者9名(85.1±7.0歳)を対象に、発話促進援助による介入効果をクロスオーバー試験によって調査した。 嚥下機能は、①口腔内湿潤度、②嚥下に要する時間(RSST3 回目積算時間)、③口唇機能(口唇閉鎖力)、④呼気筋力、⑤舌の機能(オーラルディアドコキネシス:OD)で評価した。「発話」は、発声した単音節数で評価した。 その結果のべ78回の測定データから『介入日』の嚥下時間は、前18.3・後16.0秒で、有意に短縮し(p<0.05)、口腔粘膜湿潤度の舌粘膜は、前25.3・後24.6%で、有意に減少した(p<0.01)。「発話」数は、『介入日』の序盤2,011個、中盤3,666個、終盤2,090個であり、『通常日』は序盤93個、中盤202個、終盤168個と差があった。10分間に発話による単音節2000個を超えるピークがあり、かつそのピークの位置が発話時間の中盤にあるときに最も効果的であった。さらに「発話」の音声別に出現割合は、歯茎音37.2%、両唇音20.2%、歯音10.3%、声門音9.1%、軟口蓋音3.5%、硬口蓋音3.1%、母音16%、不明瞭0.7%であり、パタカ訓練で使用されている両唇音、歯茎音、軟口蓋音は、「発話」音声全体の60.9%を占めた。この介入が機能回復訓練と同等の効果が得られたことから、発話促進援助を食前に活用することの意義が確認された。 機能回復訓練の効果は科学的に検証されており広く臨床で活用されている。しかし、障害がなく機能の維持や嚥下の質向上を目指す高齢者には不向きであり、日常性の高い自然な会話を促進する援助に、色彩と食に関連したモチーフで構成する食環境を提供することの効果が確認できたことは、会話によるQOLの向上も期待できる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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