2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルスリテラシー不足の患者・家族・市民を発見・支援する看護学習コンテンツ開発
Project/Area Number |
23390497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Fundamental nursing
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
中山 和弘 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (50222170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐居 由美 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (10297070)
石川 ひろの 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40384846)
戸ヶ里 泰典 放送大学, 教養学部, 准教授 (20509525)
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Keywords | ヘルスリテラシー / 保健医療社会学 / 看護情報学 / ヘルスコミュニケーション / 意思決定支援 |
Research Abstract |
1)ヘルスリテラシー不足による問題や困難の抽出と支援方法の検討 (1)Q&Aサイトと闘病ブログのなかでの該当する事例や場面を抽出 「情報見つからない」「医師説明わからなかった」「治療決められない」など、キーワードで検索し、ヘルスリテラシー不足による困難や問題に関する事例の収集を開始した。 (2)乳がん患者を対象とした調査 乳がん患者が、ソーシャルメディアの利用でどのような人間関係を築き、そこで得たサポートが健康状態とどのような関連を持つのかを明らかにすることを目的とした自記式質問紙調査を行った。乳がん患者977名の回答を分析した結果、ソーシャルメディアは、相手の年齢や社会的地位を気にしない対等なコミュニケーションが可能であり、そこへの多数のしかも多様な参加者から、自分のニーズに合った情報を得られていることで、信頼、つながり、助け合いを形成していることを示唆するものであった。ソーシャルメディアは、患者で相互に支援可能なソーシャルキャピタルを形成しているともいえ、それがとくに対等性や多様性といった特徴を併せ持つことで、患者の主体的な問題解決行動に役立っていると考えられた。なかでも、ストレスが高い状態にある患者や、主治医からのサポートが十分でない患者では、ソーシャルメディアからソーシャルサポートを多く得られているほど、QOLが高くなっていた。すなわち、ソーシャルメディアが、主治医との関係性を補完している可能性が認められた。 2)アメリカのコンテンツの収集・分析 アメリカの厚生省HHSをはじめ、CDC、NIH、AHRQ、国立医学図書館NLM、ODPHP、アメリカ医師会AMAなどによるヘルスリテラシー向上のためのコンテンツを探し、約400件を収集した。それらの内容の分類とともに、そこからわかりやすい学習コンテンツ作成のために参考となるものを抽出中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進行している。とくに、乳がん患者の調査が実施、分析でき、貴重なデータが得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
Q&Aサイトと闘病ブログの検索においては、EBMの方法や意思決定、コミュニケーションの理論を活用することで、より効率的に収集分類できる可能性を模索したい。乳がん患者の調査においては、ソーシャルメディアの高い利用率からも、多角的な分析が可能であることがわかり、今後さらなる分析を進めたい。アメリカのコンテンツでは、クイズやビデオなどの教材のつくりかたを参考にし、すでに市民・患者向けに作成したサイト『健康を決める力』http://www.healthliteracy.jp/をうまく活用するヒントを得ており、看護師に有用なコンテンツ作りを進めたい。
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Research Products
(2 results)