2011 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の16時間2交代および8時間3交代勤務の負担の実態と軽減策に関する研究
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23390499
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
松元 俊 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究員 (20342686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 司 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (10260134)
吉川 徹 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (50332218)
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Keywords | 16時間2交代 / 8時間3交代 / 仮眠 / 半日勤-深夜勤 / 逆循環シフト |
Research Abstract |
1.看護師の16時間夜勤における効果的な仮眠の取り方に関する研究 長時間夜勤による疲労を回復させ、夜勤終盤(早朝時間帯)の看護サービスの質を保つため、夜勤中にとる仮眠の効果を明らかにすることを目的とした。16時間2交代勤務に従事し,夜勤中の仮眠が許されている東京都の9病院の内科,外科系10病棟の看護師述べ145名の協力を得た。3人夜勤において仮眠は前(0時頃)、中(2時頃)、後(4時頃)に分けてとられており、取得時刻による効果を調べた。その結果、パフォーマンステストにおいては、仮眠時刻による反応時間に差はみられなかったが、反応時間の遅い成分であるラプスの回数が、後仮眠で少なかった。同様に主観的な疲労感においても、後仮眠においてのみ仮眠後に疲労感の低下がみられた。しかし、いずれの仮眠時刻でも疲労感は勤務後が最大となっており、仮眠時刻による差は示されなかった。また抗腫瘍作用があるメラトニンの分泌においても、仮眠尿では夜間睡眠尿のメラトニン代謝物量に及ばず、仮眠時刻による差もみられなかった。結論として、長時間夜勤における仮眠の効果は小さいことが明らかになった。 2.看護師の8時間3交代勤務における日勤短縮の効果に関する研究 長時間夜勤によるリスクを回避し,現行の逆循環シフト3交代勤務において勤務間隔時間を確保する、午前半日勤-深夜勤パタンの試行を行った。兵庫県の総合診療科1病棟で夜勤交代勤務に就く全22名の看護師の協力を得た。日勤-深夜勤の3交代勤務で1ヶ月間、その後半日勤-深夜勤の3交代勤務の1ヶ月間の試行で調査を行った。1ヶ月間の生活時間調査により労働と睡眠時間を調べた。また、勤務時の活動性を,活動量計で調べた。さらに、線分法により毎日の主睡眠前後2時点、勤務日は勤務前後、休憩前後の4時点で疲労感を測定した。現在、調査が完了し、解析途上にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の看護現場での調査受け入れ体制の都合により、3つの調査研究の順序が当初の予定と変わった。また、調査計画についても、現場要望から対象人数、測定指標、測定期間の変更があった。しかし、単年度で複数調査が同時進行しており、研究の遅れなく研究目的に沿った調査が実行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
調査受け入れ先となる現場協力のもとでの研究であるため、次年度の調査の順序や時期、内容の変更が予想されるが、社会的ニーズや現場ニーズに合わせた調整を行うことで、調査の実行可能性と有用性を高めていく。現在までに調査遂行上に大きな問題は発生しておらず、基本的には調査計画の通りにすすめていく。
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Research Products
(3 results)