Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 里砂 京都大学, 医学研究科, 助教 (40534938)
荒川 千登世 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (10212614)
山本 昌恵 関西看護医療大学, 看護学部, 助教 (70611599)
冨田 直秀 京都大学, 工学研究科, 教授 (50263140)
稲本 俊 (財)田附興風会, 医学研究所, 研究主幹 (10135577)
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Research Abstract |
課題1リンパ浮腫の評価に最適な,簡便に組織水分バランスを測定する専用機器を作成するためにBI法による組織水分量の評価方法を確立する。 【方法】被験者は,A大学病院に来院した続発性下肢リンパ浮腫患者の女性7名(平均年齢57.4±10.4歳)。調査項目は,身長,体重,浮腫ステージ,下肢周囲径,体組成計測(MC-180,タニタ社製)であった。浮腫ステージは,IIb:3名,ステージIIa:4名であった。下肢周囲径,体組成に関して,リンパドレナージ(以後LD)前後に計測を行い,数値の変化を比較した。患側肢の水分変動を捉えるため,脚部筋肉量の変化を見た。患側と健側の脚部筋肉量の比較を行った。LD前後は,姿勢変動による体水分分布変化の影響を除くため,患側肢と健側肢の筋肉量の比を用いて比較した。解析は,統計ソフトSPSS 15.0を使用した。本研究は,倫理委員会の承認を得て,被験者より書面にてICを得た。 【結果】患側の脚部筋肉量は,有意に多かった(p=0.03)。脚部筋肉量の患側/健側比は,年齢を合わせた健常女性の平均が1.02であるのに対し,1.16と有意に高い値を示した(p<0.01)。LD施術後,脚部筋肉量の患側/健側比は1に近づくと考えられたが,有意な減少はなく,増加する例もあった。下肢周囲径合計値も,施術前後で有意な減少はみられなかった。 【考察】患側脚部筋肉量が有意に多かったことから,患側肢の水分量が有意に多いことを,また,脚部筋肉量の患側/健側比が健常女性と比較して有意に高いことをBIA体組成計により評価できた.脚部筋肉量の患側/健側比に関し,LD前後の差が得られなかった理由として,施術直後はリンパかん流が落ち着かず,水分変動の途中であったためと考えた。今後,LD後の経過観察を行い,自己管理に有用な計測タイミングを調査したい。 課題2簡易水分量測定器を用いることで続発性リンパ浮腫患者のセルフケアが継続できる自己管理行動プログラムを開発する。 患者データ入力のソフトを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は組織水分量を反映するBI指標を確立するために,浮腫発生部位と対照謙譲部位におけるBI計測定地の比較や,計上の測定などを行なった。これによってBI指標を確立する準備に入っている。また,簡易水分量測定器を用いて自己管理ができる行動プログラムの開発ために,データを集積して解析すら為のソフトを作成した。
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