2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域で生活する神経筋疾患患者と家族への多職種協働緩和マネジメントプログラムの構築
Project/Area Number |
23390525
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 景一 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (00191883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 修平 東京女子医科大, 看護学部, 教授 (30145122)
中田 晴美 東京女子医科大, 看護学部, 准教授 (90385469)
服部 真理子 東京女子医科大, 看護学部, 講師 (50336492)
犬飼 かおり 東京女子医科大, 看護学部, 助教 (30538012)
遠藤 直子 東京女子医科大, 看護学部, 助教 (50589546)
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Keywords | 緩和マネジメント / 症状マネジメント / 神経筋疾患 / 在宅ケア / 健康関連QOL / 睡眠の質 / 抑うつ |
Research Abstract |
神経筋疾患患者と家族は、生活の質を阻害する多くの身体的精神的苦痛や症状などに向き合いながら生活し、緩和マネジメントを必要としている。本年度は本学の倫理委員会による科学的観点と倫理的観点からその妥当性が承認された後、主要神経筋疾患の経過別による患者と家族の緩和マネジメントが必要な苦痛や症状を、訪問看護利用者の大規模調査を通して把握することとした。対象は全国の都道府県に所在する訪問看護ステーションを利用する20歳以上の神経筋疾患患者とその家族介護者である。対象選択に際して、多段抽出法を用いて全国都道府県から1000か所の訪問看護ステーションを抽出し、研究の参加への同意を得られた訪問看護ステーション1か所につき、説明文書をもとに同意した各3組の患者と家族への調査票配布を依頼した。依頼する3組の患者は、神経筋疾患を有し、日常生活動作能力から判定される障害度が、軽度、中等度、および重度となるように依頼した。調査票の配布は訪問看護ステーションから行われ、患者と家族から無記名にて研究代表者に直接返送してもらう方法を採用した。緩和マネジメントは疾病の早期から開始される必要があるが、障害度が軽度から中等度までは「支持的ケア段階」、障害度が重度になるにつれ「End of lifeケア段階」のマネジメントに移行する。そこで調査に際して、人口統計学的変数と主病名に加えて、各障害度の段階別に、患者に特有な身体的精神的症状、睡眠の質、抑うつ、健康関連QOLの状況、および研究代表者らが開発した在宅生活の継続に影響する5つのアウトカム指標の各尺度を用いる。家族に対しては、睡眠の質、抑うつ、健康関連QOLの状況を調査中である。本結果から、神経筋疾患患者においては、障害度が軽度な段階から緩和マネジメントを実施する必要性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書が、倫理委員会によって科学的観点と倫理的観点からその妥当性を承認された。代表者と分担者の計7名の研究者は、同じ研究機関・部局の地域看護学に所属しているため会議の開催や連絡がスムーズに行われやすく、研究経費の使用を含めて、各自の役割を遂行している。連携研究者とは、主に電子メールを使用して惜報交換しており、こちらも不都合は起きていない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)平成23年度の大規模疫学調査結果を詳細に統計学的に解析する。 (2)平成24年度は、保健師活動における緩和ケアと緩和マネジメントの実際を調査するため、全国保健所と特別区保健センターを合わせた全数調査を実施する。 (3)平成25年度は、訪問看護師活動における緩和ケアと緩和マネジメントの実際を調査するため、多段抽出法にて全国訪問看護ステーションの中から1千箇所を対象として調査を実施する。 (4)平成26年度は、多職種によるフォーカスグループインタビューを実施し、その質的分析結果および上記の(1)~(3)までを統合して、「地域における神経筋疾患患者と家族への早期緩和マネジメントプログラム」を構築する。
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