2011 Fiscal Year Annual Research Report
長期データとフィールド調査によるインドネシア地域持続的生存基盤の研究
Project/Area Number |
23401013
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水野 広祐 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (30283659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 啓良 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00134635)
遠藤 尚 統計情報研究開発センター, 研究員 (40532156)
小座野 八光 愛知県立大学, 国際文化研究科, 准教授 (60305513)
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80183804)
甲山 治 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (70402089)
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Keywords | 長期データ / フィールド調査 / 農家経済調査 / 生存基盤持続型発展 / 森林減少 / 2世紀の変化 / インドネシア / ジャワ農村 |
Research Abstract |
本年度は、本3年プロジェクトの最初の年であり、研究プロジェクト計画に関する参加者の合意、特に2年目に集中的に実施するインドネシア中ジャワ州プマラン県チョマル地方における農家調査の実施細目について議論と準備を実施した。研究参加者間の議論を行い、認識と計画を共有するため、2011年4月に東京、6月アムステルダム、7月東京および京都、8月ジョクジャカルタ、11月ジャカルタ、11月末ポゴール、12月京都における会議を実施した。その結果、日本側参加者に加えて、インドネシアからはガジャマダ大学人類学科のプジョ・スメディ氏ら、オランダからはアムステルダム大学大学院社会科学学科のフルバン・ノートボーム氏らによる研究体制が確立した。これらの参加者の間で、2012年のチョマル郡におけるセンサスおよび農家経済調査、チョマル地区における歴史的な華人社会の研究、中ジャワ北海岸地方における土地利用変化と森林減少に関する過去30年の調査と、同テーマの過去2世紀の調査、人口、疫病、農業生産などに関する過去2世紀の調査、1904年と1990年および2012年の間の村内名望家系譜調査の分担の確定、各々研究のための予備調査を行った。この過程で、中ジャワ北海岸および山間部地方の衛星画像および、航空写真を、インドネシア国土地理機構などからシステマティックに購入した。2011年8月には、チョマル地方北海岸および中ジャワ州の山間部における予備調査を実施した。それから、スハルト期まで存在した、補助金付きで村落ユニット協同組合(KUD)がサポートした砂糖キビ栽培制度は姿を消し、その栽培は大幅に減少したこと、水田利用の規制が大幅に関与したため1990年にはなかった水田の年度を用いた煉瓦作りが始まったこと、農村内非農業部門の活動がますます活発化していること、その結果、水利の悪い棚田などは耕作されるよりもセンゴンジャワなどの早生の樹木が栽培されていること、この結果、この地域の木の数が大幅に増加し、森林面積の拡大がみられることなどが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、3カ国の参加者の間の問題意識の共有、研究体制の確立、予備調査の実施、2012年の本格的調査のための準備、衛星写真や高級写真の購入が進んだなど、おおむね予定通り研究が進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度は、インドネシア・中ジャワ州プマウン県チョマル郡における農家調査を実施する。これには多く研究者や学生が参加する予定である。また、森林減少や農業生産、疫病などに関する文書館調査を実施する。
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Research Products
(15 results)