2011 Fiscal Year Annual Research Report
リベリアとシエラレオネにおける産科瘻孔(フィスチュラ)の疫学状況と社会問題の研究
Project/Area Number |
23401017
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
落合 雄彦 龍谷大学, 法学部, 教授 (30296305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 知子 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (10351850)
|
Keywords | リベリア / シエラレオネ / ジェンダー / 産科瘻孔 / フィスチュラ |
Research Abstract |
本研究の目的は、母子保健状況が著しく劣悪な西アフリカのリベリアとシエラレオネにおける産科瘻孔(フィスチュラ)という「疾患」に注目し、その疫学的動向とそれに起因する「問題」を、地域研究、ソーシャルワーク、ジェンダーといった多角的な視点から調査研究することにある。 2011年度については、国内での文献研究に加えて、リベリアとシエラレオネを訪問して政府機関や医療機関の関係者に対する聞取調査を実施した。具体的にはリベリアでは、国連人口基金(UNFPA)のフィルデラルド・プラット氏、同国フィスチュラプロジェクトリーダーで産婦人科医のジョン・ムルバ氏、同プロジェクト専任のフィスチュラ看護師であるアンジ・タール氏などに会って、同国のフィスチュラ患者の状況や治療・ケア体制に関する情報を収集した。また、シエラレオネでは、UNFPA職員のジャライ・カバ・ケベイ氏、保健省局長のS・A・S・カーボ氏、ボー政府病院院長のA・P・コロマ氏などに会って情報を収集するとともに、来年度以降の本格調査に向けての了解と支援を取り付けた。 なお、リベリアにおいては同国第2位の都市バンガーにあるフィスチュラリハビリテーションセンターを、また、シエラレオネにおいてもやはり同国第2位の都市であるボーのフィスチュラセンターをそれぞれ訪問した。前者はUNFPA、後者は米国のNGOの財政支援によって運営されており、来年度以降の本格的調査の拠点となる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィスチュラ患者に対する聞取調査は実施しなかったものの、その実施に向けた準備を着実に進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初、リベリアとシエラレオネにおいて各50名、合計で100名のフィスチュラ患者に対して質的な聞取調査を行う予定であったが、2011年度に実施した現地調査の結果、フィスチュラ患者の教育水準や治療状況、さらには本研究課題の予算などを勘案すると実際に聞取調査が可能なフィスチュラ患者数は各国20名程度であることが判明した。 今後はこの数値をひとつの目標にして調査研究を推進していく予定である。
|