2012 Fiscal Year Annual Research Report
リベリアとシエラレオネにおける産科瘻孔(フィスチュラ)の疫学状況と社会問題の研究
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23401017
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
落合 雄彦 龍谷大学, 法学部, 教授 (30296305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 知子 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (10351850)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フィスチュラ / 産科瘻孔 / リベリア / シエラレオネ / ジェンダー / リプロダクション |
Research Abstract |
本研究の目的は、母子保健状況が著しく劣悪な西アフリカのリベリアとシエラレオネにおける産科瘻孔(フィスチュラ)という「疾患」に注目し、その疫学的動向とそれに起因する「問題」を、地域研究、ソーシャルワーク、ジェンダーといった多角的な視点から調査研究することにある。 2012年度については、国内での文献研究に加えて、リベリアとシエラレオネを訪問して政府機関、援助機関、大学、医療機関等の関係者に対する聞取調査を実施した。具体的にはリベリアでは、同国フィスチュラプロジェクトリーダーで産婦人科医のジョン・ムルバ氏、フィスチュラ・リハビリテーションセンターのインストラクターであるリチャード・フラ・モールー氏とマトロンであるファトゥ・ビンセント氏などに会って、同国のフィスチュラ患者の状況や治療・ケア体制に関する情報を収集した。また、シエラレオネでは、シエラレオネ大学フーラベイコレッジの講師であるアレックス・ムボヤ氏などに会って同国の母子保健状況やジェンダー関連組織についての情報を収集するとともに、今後の調査方針などについて協議を行った。 なお、リベリアにおいては同国第2位の都市バンガにあるフィスチュラリハビリテーションセンターを訪問し、30名のフィスチュラサバイバーと面会した。特にそのなかの5名に対しては長時間の聞取調査を行った。また、首都モンロビアでもフィスチュラサバイバー1名に対して聞取調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年度目に入って、フィスチュラサバイバーに対する本格的な聞取調査を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
リベリアとシエラレオネにおける関係者への聞取調査を継続する。特にフィスチュラサバイバーに対する聞取調査を精力的に実施していきたい。その際、信頼関係が特に強固なリベリアのフィスチュラリハビリテーションセンターを調査活動の拠点にしたいと考えている。 しかしながら、フィスチュラサバイバーは、その多くがまったく学校教育を受けていないか、学校に通った経験がある場合でもそのほとんどが小学校中退程度であり、英語の運用能力が必ずしも十分ではない。したがって、面会するフィスチュラサバイバーのすべてに聞取調査をすることができるわけではない。また、当然のことながら、フィスチュラサバイバーのなかには、自らの辛かった流産とその後のフィスチュラの経験を振り返ったり他人に話したりすることを嫌がる者が多い。そうした状況を十分に踏まえ、同センターに可能な限り何度も通いながらも、人権に十分に配慮しつつ慎重に聞取調査を実施していきたいと考えている。
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