2011 Fiscal Year Annual Research Report
中国黒龍江省におけるモンゴル族コミュニティーの言語維持保存や継承復興への取り組み
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23401023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
包 聯群 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 学術研究員 (40455861)
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Keywords | モンゴル族コミュニティー言語 / モンゴル語教育 / 言語保存 / 言語維持 / 言語継承 / 言語復興 / 黒龍江省 / 危機言語 |
Research Abstract |
本研究は、中国黒龍江省におけるモンゴル人コミュニティーを対象とし、その日常言語を記録し保存する。また当該地域のモンゴル人の言語継承・復興への取り組みを実施することが目的である。 23年度の研究において、申請者は以下のような研究や取り組みを行った。 (1)今まで取り組んできた研究成果を踏まえ、一ヶ月ほどの現地調査を行い、黒龍江省全地域におけるモンゴル人の言語実態、モンゴル語教育の実態を把握し、当地域のモンゴル人に関する新たな情報、資料の収集を行い、メタコミュニケーション情報も収集した。 (2)黒龍江省教育学院モンゴル語研究部、黒龍江省モンゴル語教育責任者のUyundalai教授の協力を得て、Uyundalai教授と同学院のBurgud助教とともに大慶市ドルブットモンゴル族自治県のタラバ郷中心小学校、腰新小・中学校を訪問し、当地域のモンゴル語教育についてインタビュを行った。また授業に参加し、教師たちと座談会も開き、モンゴル語教育の現状やこれからのことについての話し合いを行った。その中で、様々な問題点が指摘され、今後、モンゴル語教育をどのように改善すべきかなどが議論の話題となった。 (3)さらに肇源県モンゴル族中学校・高校についても調査を行い、モンゴル語教育の実態を把握した。そして、チチハル市民族高校にもモンゴル語教育の実態調査を行い、授業に参加した。 (4)泰来県を訪れ、泰来県及び泰来県モンゴル族学校を「言語継承・復興への取り組みを行う」場所と選定する旨を伝え、当地域の学校関係者、民族宗教局責任者、地元の人々の理解を求め、今後、モンゴル語教育、コミュニティー言語の維持や復興へどのように取り組むべきかについての予備調査を行った。 (5)2012年2月5日に中国言語戦略センター主任・南京大学教授徐大明を招聘し、東京大学東洋文化研究所にて「中国における言語政策と言語復興」特殊講演会を開いた。本人は、言語維持・継承・復興等への取り組み及び研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、調査を実施し、研究が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を当初の計画通りに推進していくつもりである。また、当地域とのさらなる連携を強化していきたい。即ち、モンゴル語教育責任者や関係機関と密接な連絡を取り、研究ワークショップも開催し、言語の継承や復興への取り組みをスムーズに行っていきたい。
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Research Products
(16 results)