2011 Fiscal Year Annual Research Report
北アメリカ北西海岸先住民諸語の自然談話にみられる複文の調査研究
Project/Area Number |
23401024
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
渡辺 己 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (30304570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 博文 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (10283326)
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Keywords | 複文 / スライアモン語 / ハイダ語 / セイリッシュ語 / 北アメリカ先住民諸語 |
Research Abstract |
初年度であった2011年度には,海外現地調査は次のようにおこなった。 1.渡辺:スライアモン語現地調査,2011年8月(約5週間)および2012年1月~2月(約3週間) 2.清沢(研究協力者):ハルコメレム語およびリルエット語現地調査,8月(約4週間) 研究協力者(海外共同研究者)のマリアン・ミスンとニコラス・エバンズとはメールによって連絡を取り続けたが,ミスンとは11月と1月,エバンズとは7,月と11月に渡辺が実際に会って研究打ち合わせをおこなった。国内の研究者同士も主にメールを使っての連絡をとったが,機会を作って実際に会って,研究打ち合わせをおこなった。 本研究では,特に,自然談話のなかで節と節がどのように結びつくか考察をおこなっている。参加者が取り組む対象言語はいずれも今まで収集されたテキスト(自然談話)が少なく,その採録,書き起こし,話者との発音表記(書き起こし)や媒介言語への訳の確認など,基礎的な作業を地道に続けるしかない。いずれの言語も話者数が少なく,このような資料を集めるのは緊急の課題であり,単語や単文を集める以上に労力はかかるが,後世に資料を残すためにも重要であると考えられる。特に複数の節がどのようにつながっていくか,そしてなかでも,従属節が主節なしで現われる現象は,自然談話ではなくては出てこないデータである。 計画にも盛り込んだように,特に渡辺己と堀は,これまで調査で収集してきたデータをデジタル化し,整理をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査による資料収集とその分析はおおむね順調に進んでいる。研究者間の連絡や実際に会っての研究討議も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も現地調査をおこない,データ収集をおこなう。参加者がデータ入力をする際に使用してきた,あるいは今も使っているフォントがユニコードではないので,データの共有などの際に問題が起こりやすいので,その点への対応を図りたいと考えている。
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Research Products
(3 results)