2011 Fiscal Year Annual Research Report
西南中国及び東南アジア大陸部における伝統的土器製作の比較研究
Project/Area Number |
23401034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Field |
Archaeology
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
徳澤 啓一 岡山理科大学, 総合情報学部, 准教授 (90388918)
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Keywords | タイ / ラオス / マレーシア / 中国雲南省 / 伝統的土器製作 / 製作技術 / 生産様式 / 比較研究 |
Research Abstract |
今年度は、7回の渡航によって、100日以上を現地調査に費やして、4ヶ国20ヶ村におけるフィールド・ワークを実施することができた。以下のとおり、月次別の具体的な活動内容等を整理する。なお、「研究実施計画」に記載したタイ深南部の調査に関しては、過激派等による分離独立運動に伴って、外務省危険情報が発出されたことから、他地域に調査地を切り替えざるをえなかった。とくに、タイ深南部と国境を接するマレーシアを中心的な代替地とすることにした。なお、これらの地域において、土器製作の村寨に関する新しい情報が得られており、現地調査を次年度に持ち越す必要が生じている。 4~5月タイのルーイ県、ノンブアランプー県、ウドンタニ県、ラオスのヴィエンチャン市において、製作技術及び生産様式に関する現地調査を実施し、タイ東北部とラオス中部の比較研究を行った。 6~7月タイのチェンマイ県、スコータイ県、アユタヤ県において、現地調査を実施し、タイ北部とミャンマー東部の比較研究の準備、タイ北部と中部の比較研究を行った。 8月マレーシアのコタバル州、イポー州において、ラマダンの期間にあたったことから、インタビューを中心とする現地調査を実施した。マレーシア半島部とタイ南部の比較研究を行った。 11月マレーシアのプルリス州、ケダー州、ペナン州、イポー州、そして、サバ州において、製作技術及び生産様式に関する参与観察等の現地調査を実施し、半島部内及び半島部-島嶼部間、マレーシアとタイ南部の比較研究を行った。 12月ラオス北部のサムヌア県、ルアンパバーン県において、製作技術及び生産様式に関する参与観察等の現地調査を実施し、ラオス北部とベトナム北部の比較研究を行った。 2月中国雲南省の徳宏州〓族景頗族自治州〓西市、徳宏州怒江リス族自治州福貢県において、製作技術及び生産様式に関する参与観察等の現地調査を実施し、中国雲南省とラオス北部とミャンマー東部の比較研究の準備、中国雲南省内の比較研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度における主な調査地は、中国雲南省及びタイ南部を予定していた。中国雲南省では、新たな村寨の発見によって、これらの現地調査を完了できなかった。タイ南部では、深南部3県において、外務省危険情報が発出されたことによって、現地調査を遂行できなかった。代替の調査地をタイ及びマレーシアとしたものの、新たな村寨の発見によって、これらの現地調査を完了できなかった。調査地の数が増加したことに主な理由がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度における主な調査地は、「研究計画」のとおり、カンボジア及びラオスを予定している。しかしながら、平成23年度における「研究計画」が「やや遅れている」ことを踏まえて、平成23年度における調査地(代替の調査地を含む)の現地調査を含めることで、「研究計画」全体の進捗を図りたい。また、平成24年度においても、新たな村寨の発見によって、「研究計画」の繰り下げが生じると予想される。しかしながら、現在、伝統的土器製作が消滅の危機に瀕しており、悉皆的な現地調査を継続し、記録保存を伴う本研究を貫徹することが重要と考えている。また、平成23年度における「研究実績」のとおり、現地調査を頻繁にすることで、論文等の「研究発表」が滞りがちになりやすい。査読の有無にこだわらず、可能な限り速やかに、調査報告等を公表することを心掛けたい。
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Research Products
(6 results)