2013 Fiscal Year Annual Research Report
西南中国及び東南アジア大陸部における伝統的土器製作の比較研究
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23401034
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
徳澤 啓一 岡山理科大学, 総合情報学部, 准教授 (90388918)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ミャンマー / タイ / ラオス / 国境の土器製作 |
Research Abstract |
2013年度は、主なフィールド予定地をベトナムからミャンマーに変更した。また、これまでの調査地であったタイ中央部、タイ北部、ラオス北部の補足調査を実施した。これによって、ミャンマー‐タイ国境における伝統的土器製作の様相が明らかになってきた。 4-5月、ミャンマーのマンダレー管区を中心とする土器製作、タイ中央部の現地調査を実施した。また、これまでのフィールドワークで取得した伝統的土器や叩き板等の製作道具を整理し、可能な限り、岡山理科大学に送付した。10-11月、ミャンマーのマンダレー管区、サガイン州、シャン州の土器製作を調査した。また、シャン州東部の調査にあわせて、タイ北部を実施した。12‐1月、ラオスの北東部、タイ、ミャンマー、中国雲南省の国境地帯、ファイサーイ、ポンサリー等の現地調査を実施した。また、タイ中央部のアユタヤからバンコクにかけての伝統的土器製作を調査した。3月、ミャンマーのエヤワーディ州、マグウェー州の現地調査を実施し、とりわけ、バングラデシュからの影響の強い土器製作を確認することができた。 2013年度の現地調査によって、ミャンマーにおける伝統的土器製作の様相が明らかになりつつあり、ミャンマー‐タイ国境付近におけるミャンマー系土器製作のタイ側への移植という現象も明らかにできつつある。 そのため、2014年度も引き続き、ミャンマー‐タイの関係を中心に伝統的土器製作の現地調査を継続することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当初の予定以上の調査日程を確保することができた。ミャンマーを中心として、その国境沿いにタイ、ラオスを踏査し、ミャンマーとの「国境の土器製作」を調査することができた。 ミャンマー国内に加えて、周縁とその影響関係に関する見通しを得ることができたことの成果は大きい。 また、2003年のモノグラフでは、ミャンマーの土器製作は45か所とされたものの、今年度の調査で、ミャンマー全土の1/4-1/5程度の現地調査でほぼ同数の村寨の現地調査を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ミャンマーでは、先学の調査史をさかのぼっても、45ヶ所の土器製作の記述しか確認できなかったものの、2013年度の調査によって、ミャンマー全土で150-200カ村の土器製作の存在を想定することができるようになった。 また、ミャンマーにおける現地調査も地域的な偏りがあり、中国国境、バングラデシュ国境を念頭に置いた現地調査が不可欠と考えるようになった。 当初の計画では、2014年度は、ベトナムを主なフィールドとする予定だったが、引き続き、ミャンマーを主なフィールドとすることにしたい。 なお、2015年度以降の調査計画策定のため、ベトナムにおける予備調査が可能なようであれば実施することにしたい。
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Research Products
(6 results)