2014 Fiscal Year Annual Research Report
先史アンデス社会における祭祀センターの変容と複合社会形成過程に関する研究
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23401040
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
井口 欣也 埼玉大学, 教養学部, 教授 (90283027)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アンデス文明 / 形成期 / 文化人類学 / 考古学 / クントゥル・ワシ / 国際研究者交流 / ペルー / アメリカ合衆国 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題遂行のため、2014年8月11日から9月18日の日程でペルーに赴き、2013年度までのクントゥル・ワシ神殿遺跡発掘調査で得られた遺物資料の分析作業をおこなった。分析は、土器、石器、骨角器、土製品、自然遺残体資料について、出土地点・層位の情報と、形状・様式・用途(土器、石器、骨角器、土製品について)の観察結果を総合しておこなった。 また、本研究の中心的な課題であるアンデス文明形成期の経済活動(生態資源利用、生産、流通、消費など)解明のため、ペルーの古生物学者と協同して土器内部に付着したデンプン粒の観察とその植物同定をおこなうとともに、土壌資料のフローテーションと土器内部の圧痕観察をおこなった。さらに、土器原材料の獲得と流通に関するデータを得るため、米国の研究協力者とともに土器約100点のサンプルについてレーザーアブレーションICP質量分析を実施し、土器胎土の元素レベルでの分析結果を得た。本研究における土器の原材料分析については、研究協力者との連名によりペルーで開催された国際的な考古学会において成果発表をおこなった。 日本国内では、2013年までの発掘調査で得られた資料をデジタル化し、データベースへの統合作業をおこなうとともに、経済活動の変容という視点から総合的な分析作業をおこなった。また、本研究による発掘調査で得られた建築物データをそれ以前に作成した同遺跡の神殿建築3D復元モデルに統合した。アンデス形成期において傑出した神殿の一つであるクントゥル・ワシのデータは国際的にも大きな関心を集めており、本研究課題において、神殿と経済活動という新たな視点による成果を得たことには多大な意義があるといえる。 また、本研究課題の総合的な成果発表として、2015年1月にワークショップ(「古代文明の生成と経済的基盤:エジプトとアンデス」)と一般向け講演会等で発表をおこなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)