Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 誠 北海道大学, 高等教育推進機構・高等教育研究部, 教授 (60322856)
渡辺 政隆 筑波大学, 広報室, 教授 (70356286)
泉 俊輔 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90203116)
白川 友紀 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (20112021)
隅田 学 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (50315347)
|
Research Abstract |
フィンランドの国家教育委員会,ヘルシンキ大学,及びプリ・スクールでの訪問調査を行い,この国でも才能教育の新しい歩みが進んでいることを確認した。ノルウェーについては,Norway Nesna University Collegeなどを訪問して理念,政策等について聞き取り調査を行った。英国については,King's College London, Science Learning Center London, London Gifted & Talented, British Science Association, University College London, The National Children's University, London School of Economics, Natural History Museumを訪問して聞き取りなどによる調査を行った。米国では,ウィリアム&メアリー大学才能教育センターと協力し,才能教育の目的,文化的背景,理論・モデルについて,米国の実態と課題について実地調査及び資料収集を行った。同様な手法でフィリピンについても調査を広げている。米国は才能教育が概念的にも制度的にも整備され,学校教育で盛んに実施されてきたが,その反面で教科全般に関わる議論が多く,科学領域に固有な部分についてより詳細に検討する必要があることが明らかになった。 中国,韓国,日本の高校生・大学生の「理系らしさ」はどのようにして生れるのかを,認知主義的学習観に着目し,質問紙調査により解析した。その結果,いずれの国においても,思考過程の重視志向が高いことを「理系らしさ」と認識している可能性が高いことが示された。また,意味理解志向性は高校の理系カリキュラムの中で成長する可能性が高いことも明らかとなった。一方,中国や韓国の学生に比べて日本の高校生は「失敗に対する頑強性」が極端に低く,間違うことを極端に恐れる生徒が多いことも示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度のH23年度は,各国において自然科学に関する才能教育にかかわっていると見なされる機関を訪問して調査することを中心に実施した。その結果,これまでには見えてこなかった,各国固有の特徴を把握しつつある。また,東アジア諸国に共通な課題についても明らかになりつつあり,欧米諸国とは異なる日本における才能教育への示唆が得られつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画の初年度に把握した情報をもとに,各国毎に課題を焦点化して一層具体的な調査を行う。そのため,再び,各担当者が渡航して調査を実施するとともに,その成果を学会や学術誌に発表する。また,東アジアの高校生や大学生に特徴的な課題についての調査を進め,欧米諸国の調査結果とすりあわせていく。
|