2012 Fiscal Year Annual Research Report
開発協力における人権基盤型アプローチの導入とその効果―カンボジアの事例から
Project/Area Number |
23402008
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
岡島 克樹 大阪大谷大学, 人間社会学部, 准教授 (80388397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 暁雄 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (80330421)
甲斐田 万智子(穂積万智子) 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (00350322)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際協力 / カンボジア |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者1名(岡島克樹)・分担研究者2名(川村暁雄・甲斐田万智子)の計3名からなる研究班を組織し、3年間という研究期間のなかで、国際協力の新しい潮流である「人権基盤型アプローチ」(以下、Rights-Based Approachの頭文字をとってRBAと表記する)の主流化動向をあらためて確認するとともに、それが実際にどのような開発効果をもたらすのかを探究するものである。そのため、より具体的には、(1)NGOを含む国際協力機関やその他分野でRBAがどのように導入されているのか、最新動向を文献調査をつうじて確認するとともに、(2)カンボジアで実際にRBAを使った事業を実施する団体への訪問を行ったり、その事業対象地域での聞き取りを含む現地調査を行うことを目標にした。 そのため、23年度および24年度においては、(1)について、RBAに関する文献を収集・分析することに加え、計3回の研究会を開催した(この研究会は研究班のみで情報を独占するのではなく、実際に国際協力を実践する方や関連分野で研究する関係者と広く学びを共有するために「公開研究会」としている)。より具体的には、国際協力機関におけるRBA導入動向を確認したり、研究班がカバーするカンボジアの少数民族やエイズ、子ども以外の分野におけるRBAの実践(ネパール、障がい者支援分野)について情報収集を行ったりした。(2)については研究班メンバー3名がのべ5回のカンボジア渡航を実施し、現地調査での聞き取りや文献収集を行うとともに、講演や論文執筆を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上「研究実績の概要」でも記したように、研究班としては、これまで、(1)国内における文献調査、(2)国内における研究会の開催、(3)のべ5回に及ぶ現地への渡航を行い、聞き取りや文献収集を行った。結果として、情報収集はおおむね順調に進捗しているところである。 また、研究成果の共有という意味でも、24年度は、(1)「ポストMDGフォーラム~2015年以降の世界がめざす新たなゴール~」というセッション(2月3日実施。国際開発学会社会連携委員会・関西NGO協議会主催)において、川村暁雄が、これまでのRBA研究の成果を踏まえ、「ポストMDGの人権アプローチによる開発(RBA)の役割」と題して講演を行った(岡島克樹が同セッション全体企画・司会を担当)ほか、(2)甲斐田万智子が、現地調査の結果を生かし、「カンボジア ―子どもの権利に基づく児童労働防止の取り組み」と題した論文を執筆し、『アジ研 ワールド・トレンド』(日本貿易振興機構アジア経済研究所)上で発表を行うなどしている。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」「現在までの達成度」で記したように、おおむね当初計画していたことがほぼ順調に進捗している。しかし、25年度は、本研究班の最終年度にあたり、これまでの研究を形にする時期に該当するため、引き続き、現地調査を行い、より質の高い研究成果となるよう努めるとともに、これまでの研究の成果を外にむかって発信していく。より具体的には、(1)今年度秋ごろには、関連学会において、研究班3名が成果をまとめて発表するセッションを企画・実施するとともに、(2)関連学会の紀要等で発表するため論文執筆を行っていく。
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