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2012 Fiscal Year Annual Research Report

タイに陸路で渡ってきた南アジア系及びミャンマー系移民:地域研究の新たな地平を拓く

Research Project

Project/Area Number 23402009
Section海外学術
Research InstitutionHiroshima Shudo University

Principal Investigator

高田 峰夫  広島修道大学, 人文学部, 教授 (80258277)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 藤田 幸一  京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80272441)
Project Period (FY) 2011-04-01 – 2015-03-31
Keywordsタイ / 南アジア系移民 / ビルマ(ミャンマー) / 陸路でのつながり / 移民労働者 / 移民政策 / バングラデシュ / ネパール
Research Abstract

本研究は、ビルマ(ミャンマー)を経由してタイに流入・定着している南アジア系の人々の、タイへの流入プロセスと、タイ国内での生活実態を解明することを狙いとしている。
研究代表者(高田)の統括部分では、大別、1)チェンマイの南アジア系(現バングラデシュ東部地域出身系)ムスリム、2)タイ中南部のネパール系住民、3)北部のビルマ系ムスリム、の3グループを対象にしている。本年度は各グループに関し、1)メーサリアンでのインタヴュー調査、メーサムレープでの現地視察を実施した。ここからは、バングラデシュ東部(旧ベンガル東部)とチェンマイをつなぐ道筋が徐々に浮かび上がってきた。2)では、研究協力者がネパールで調査を実施し、若干の手がかりをつかんだ。3)では、ミャンマーを訪問し、ヤンゴンやモーラーミャインを視察した。ミャンマー国内の政治情勢から本格的な聞き取りはできなかったが、視察した範囲内でも、予想以上に東部ベンガル系子孫のムスリムの存在が幅広く、タイと南アジアを結ぶカギは、同地にあるとの印象を強く受けた。ただし、ミャンマーでの調査研究は、特にムスリムに関連して困難があることを再認識させられもした。
研究分担者(藤田)が統括する部分に関連しては、南タイの漁業基地ラノーンにおけるミャンマー人移民労働者に関する論文を刊行した。また昨年度に続き、中部タイのメーソートでのミャンマー人移民労働者についての調査を実施し、国籍証明(Nationality Verification)に基づく移民の「合法的」受け入れが始まった後のミャンマー人移民受け入れの実態を明らかにした。メーソート県政府は、国籍証明手続きを指定のタイ仲介会社に限定することで、高額の費用をミャンマー人移民に課す結果になっており、にもかかわらず、暫定パスポートを所持しタイ国内の移動が自由なはずの移民の県外への移動を阻止する動きが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上記(研究実績の概要)のとおり、研究代表(高田)が統括する部分に関しては、主対象とする3グループ(旧ベンガル東部[=現バングラデシュ東部]系ムスリム、広義のネパール系移民、ビルマ系ムスリム)それぞれに関し、調査研究が進展している。特にチェンマイにおけるバングラデシュ系ムスリムに関しては、具体的な移動ルートの解明等、かなり進捗した。このまま研究を継続すれば、本年度末には、ある程度の区切りをつけられる可能性も出てえ来ている。他方、ネパール系移民とビルマ系ムスリムに関しては、徐々に解明が進んでいるが、同時に問題の大きさが当初の予想以上に規模の広がりを見せており、今後の研究課題が浮き彫りになった。
研究分担者が担当するミャンマー移民労働者関連では、調査も順調に進み、一部に関してはすでに取りまとめも行う段階に入っている。

Strategy for Future Research Activity

ほぼ当初計画の通り進んでいるので、申請当時に計画した研究計画に沿って今後も調査研究を継続する。ただし、2012年度になって、あらたにビルマ系ムスリムに関するミャンマー国内での視察の結果、予想以上の規模の広がりが見出されたこと等、予想外の進展も見られる。このようなプラス面の変更は、今後も続く可能性がある。このため、どこまで手を広げるか難しい問題が新たに生じているが、プロジェクトの後半に入るため、現在、当面の研究課題につき範囲を限定することを検討中である。
2013(平成25)年度は、夏までに研究範囲の限定に関し検討を続け、プロジェクトの終了までの道筋を描くことを目指す。それを基に夏以降の調査研究の具体的な手順を順次策定し、実施に移す予定である。当面、バングラデシュ系ムスリムについては、移動経路の追及を継続する予定。ネパール系についてはタイ西部の集中村を視察予定。ビルマ系ムスリムについてはインタヴューを継続。ミャンマー移民労働者に関してはメーソートでの調査を検討中である。
また、本プロジェクトの範囲では収まりきらない事象や問題の広がりが明らかになってきたため、今後の新たなプロジェクトについては、2013年度から本格的に検討を行うことになった。

  • Research Products

    (7 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] タイにおけるミャンマー 人移民労働者の実態と問題の構図―南タイ・ラノーンの事例から―2013

    • Author(s)
      藤田幸一、他
    • Journal Title

      東南アジア研究

      Volume: 50-2 Pages: 157~210

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] ネパールからタイへ:現代の移住第1世代-プーケットの仕立て屋の事例-2012

    • Author(s)
      高田峰夫
    • Journal Title

      広島修大論集

      Volume: 53-1 Pages: 211-233

  • [Journal Article] あるNGOワーカーの見たバングラデシュの「災害」-サイフルの「語り」から(その3)2012

    • Author(s)
      高田峰夫
    • Journal Title

      広島修大論集

      Volume: 52-2 Pages: 133-144

  • [Presentation] タイに陸路で向かった人々-「南アジア」と「東南アジア」の繋がりを考える:①ムスリムの事例

    • Author(s)
      高田峰夫
    • Organizer
      日本南アジア学会第25回全国大会
    • Place of Presentation
      東京外国語大学
  • [Presentation] From Butwal to Phuket: A consideration on narrative of a Nepali tailor shop owner serving to the Western tourists

    • Author(s)
      TAKADA Mineo
    • Organizer
      International Symposium on Designing Governance for Civil Society
    • Place of Presentation
      慶應義塾大学(三田)
    • Invited
  • [Book] 朝倉世界地理講座-大地と人間の物語-(4:南アジア)、「バングラデシュ」の部分2012

    • Author(s)
      高田峰夫(分担執筆)
    • Total Pages
      470
    • Publisher
      朝倉書店
  • [Book] 【新版】南アジアを知る事典、「バングラデシュ」の部分2012

    • Author(s)
      高田峰夫(分担執筆)
    • Total Pages
      1073
    • Publisher
      平凡社

URL: 

Published: 2014-07-24  

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