2011 Fiscal Year Annual Research Report
経済発展と国内・国際労働移動に関する調査研究:ベトナムを中心とした東アジアの動態
Project/Area Number |
23402034
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
TRAN VAN.THO 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (70227669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DO MANH・HONG 桜美林大学, 公私立大学の部局等, 講師 (40406872)
松本 邦愛 東邦大学, 医学部, 講師 (50288023)
劉 傑 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80288018)
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Keywords | 労働移動 / 外国人労働者 / 東アジア / 開発経済学 |
Research Abstract |
平成24年度の研究は、当初の計画では、対象国を、ベトナム、フィリピン、インドネシアとし、基礎的な文献整理・データ収集と、それに基づく詳細な調査項目の検討を行い、その後、各班に分かれて一次調査を行うこと、さらに、ベトナムで各国の専門家を交えた会議を開催し、問題点の洗い出しを行うことが予定されていた。実際、上記対象国に加え、タイ、日本、台湾に関しても同様の調査を行った。 研究の結果としては、まず各国の国際労働移動の状況を明らかにした。従来から海外への労働力の送り出し国として著名なフィリピン、インドネシアでは送り出し先、産業などの変化がみられ、ベトナムは近年未熟練労働者の海外渡航が増加している。タイは労働者の送り出しは減少し、近隣諸国からの労働者の受け入れが急激に増加している。一方の、受け入れ国では、台湾が早くから受け入れを開始し受け入れ制度を整えていたが、近年受け入れ産業が製造業から介護・家事労働へ変化していることがうかがわれる。日本では、EPAによる受け入れは始まっているものの、制度の整備は遅れていることが明らかになった。さらに、この国際移動に連動して各国の国内の労働移動に関しても明らかにし、経済発展と労働移動がどのようなメカニズムで起きているのかそれぞれ事例を収集した。 このような研究結果を踏まえ、2013年3月にベトナム・ハノイにおいてVRI-VAPEC SYMPOSIUM "Labor Migration and Social Economic Development in East Asia"を開催し、ベトナム人研究者との会議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、今年度の対象国を、ベトナム、フィリピン、インドネシアとしていたが、研究協力者を得ることで、台湾や日本の研究にまで言及することができた。2013年3月に行ったベトナムでのベトナム社会科学院とのシンポジウムでは、ベトナム人研究者のほかに本研究の分担研究者・研究協力者以外の日本人も参加し、活発な議論が行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
一次調査で分かった点を補強するために、個別テーマに絞り二次調査を行う。また、中国とインドに関する労働移動問題が必ず関係することから、各班のメンバーを絞り、それらの国の調査も実施する。ただし、一次調査の成果から調査項目・調査地は絞り込む。その後、合同専門家会議を開き各自論文を作成し、最終報告書を作成する。学術雑誌に投稿し成果を公表する。また、シンポジウムを開催し専門家以外の人にも、成果を分かりやすく公表する。特に、産業界に対してアピールできる成果発表を行う予定である。具体的には以下の日程を立てている。 4月:国内労働移動班と国際移動班による二次調査項目の検討。5月:各班における二次調査計画の策定。6月~8月:各メンバー個別による、テーマごとの調査実施。9月~10月:出版物に向けての準備。11月~12月:最終論文草稿の作成。1月:日本にて専門家を招へいし、最終専門家会議を開催。2月:国内でベトナム総合研究所主催のセミナーを開催し、意見交換および成果の公表を行う。3月:最終論文を出版物としてまとめる。
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