2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本多国籍企業の「創造型」海外子会社に関する研究:国際比較の視点から
Project/Area Number |
23402039
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
銭 佑錫 中京大学, 経営学部, 教授 (00329658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曹 斗燮 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (20262834)
具 承桓 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (20367949)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際経営 / 創造型 / ボッシュ / デンソー / マンド / 国際比較 / 自動車部品 / 海外子会社 |
Research Abstract |
今年度には夏季休暇を利用して昨年度現地の洪水被害で調査を見送ったインド・タイの調査を行った。主な訪問先は、インドでは、JETRO、ダイキン、豊田合成、ホンダ、トヨタ、タイでは、HOYA、サムスン電機、デンソー、などである。さらに、春期休暇を利用して、中国・韓国の調査を行った。主な訪問先は、中国ではINZIコントロール社、マンド、デンソー、韓国では現代製鉄、などである。特に、中国のマンドとデンソーはそれぞれ2度目の調査であったが、両社の中国市場へのアプローチが違っており、その中での現地拠点の創造的な役割が違っていたという事実発見は日韓比較の観点で大きな収穫であった。また、タイのデンソー・アジアパシフィック統括会社を調査できたことにより、デンソーの中国統括会社との比較研究が可能になったことも収穫である。そのほか、インドのダイキン、中国のINZIコントロール社、に対する調査も新たな創造的な海外子会社の可能性を見出すことができたという点で非常に有益であった。これらの調査結果については研究会を通じて分析・検討を続けている。 特に今年度の研究会では昨年度調査の成果であるボッシュとデンソーの比較検討に多くの時間を費やした。その成果は2012年秋の国際ビジネス研究学会全国大会で本研究の共同研究者5名の連名で報告された。この報告では、まず「創造型」国際経営に対する定義と意味について明らかにしたうえで、ボッシュとデンソーにおける「創造型」国際経営の比較分析を行っている。両社の比較分析では、「創造型」国際経営の実現において本国本社が大きな役割を果たしている点では両社が共通しているが、本社と海外子会社の繋ぎにおいてはボッシュではグローバルな標準化が、デンソーでは人的資源がその役割を果たしていることを指摘している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2011年度に実施できなかったインド・タイに対する現地調査を行うことができ、2011年度と2012年度の調査地域が入れ替わる形にはなったが、結果として当初両年度に行う予定であった調査はおおむね順調に行われたといえる。特に、日本のデンソー、韓国のマンドの中国拠点に対しては2度目の調査を行い、両社の比較研究のための材料がそろった点は評価できる。これで、本研究で国際比較の対象としていた、日本のデンソー、ドイツのボッシュ、米国のデルファイ、韓国のマンドの4社の中で3社に対する調査にある程度めどがついたことになり、予定通りの達成度である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で国際比較の対象としていた、日本のデンソー、ドイツのボッシュ、米国のデルファイ、韓国のマンドの4社の中で米国・デルファイを除く3社に対する調査にはある程度めどがついたので、これらの調査結果について研究会を通じて分析・検討を続けるとともに、今後は米国デルファイ社の米国本社およびアジア各国の拠点に対する調査に重点をおいて研究を進めていく計画である。
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Research Products
(5 results)