2011 Fiscal Year Annual Research Report
日米国際結婚の子どもの国籍選択に関わる心理的要因についての研究
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23402056
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
矢吹 理恵 東京都市大学, 環境情報学部, 准教授 (30453947)
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Keywords | 日米国際結婚 / 家族心理学 / 文化的アイデンティティ / 国籍選択 |
Research Abstract |
<平成23年度の調査の目的> 23度は、以下を明らかにするためにデータ収集を行った。 在米の日本人妻のアメリカ文化への「心理的距離」と子どもの文化的アイデンティティの関連である。在米国際結婚家族の家庭文化の鍵を握る日本人妻のアメリカ文化への「心理的距離」が、彼女らの生涯発達のどの時点でどのように形成されたか。それが子育ての領域にどのように現れているのか。それが結果として、子どものハイブリッドな文化的アイデンティティにどうつながっているのか。 <平成23年度の調査の内容> アメリカ西海岸にて地域密着型のカウンセリング教育および家族カウンセリング心理学研究で実績をもつ大学院から紹介をうけた日米国際結婚家庭の日本人妻20名と、成人した子どもについて、一回約2時間のインタビューを一人2回以上行ろた。子どもの年齢は、自らの文化的アイデンティティの構築過程を語れる年齢として、17歳以上とした。許可が取れた場合は、対象者の社会的コミュニティー(学校、教会、プレイサークル等)での参与観察を行った。 <平成23年度の調査の意義と重要性> 日本人妻対象者に、離婚経験者が含まれていた。離婚の要因とプロセスについて詳しく聞き取ることで、夫婦観でどのような文化的価値観がずれることが結婚継続を阻害するのか、それが子どもの文化的アイデンティティ形成にどのように影響を与えるかを探ることができた。具体駅には、夫と妻の出身文化における社会階層の違い、および配偶者の出身文化への「心理的距離」が、離婚要因として関わることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の方法論であるインタビュー法には、質的心理学の調査法というだけではなく、臨床心理学的効果が認められる。そのため、対象者が自己の体験を振り返る機会を提供することとなるため、対象者が集まりやすかったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策は以下のとおりである。 (1)日本人妻の対象者に、離婚経験者が複数含まれていた。国際離婚を生む心理的要因を探ることは、2011年5月に日本政府が加盟方針を閣議了解した「ハーグ条約」(国際結婚が破綻した夫婦の子どもの扱いについて定める多国間条約)の実施によって発生するであろう問題の背景となる。今後も国際離婚経験者のデータを集める必要がある。 (2)成人した子どもの対象者に、青年期後期に日本からアメリカに移動したケースが含まれていた。青年期後期の文化間移動が、子どもの文化的アイデンティティの構築にどのような影響を与えるかについて、今後もデータを収集し分析する。
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Research Products
(1 results)