2012 Fiscal Year Annual Research Report
日米国際結婚の子どもの国籍選択に関わる心理的要因についての研究
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23402056
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
矢吹 理恵 東京都市大学, 環境情報学部, 准教授 (30453947)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 日米国際結婚 / 家族心理学 / 夫婦関係 / 子育て / 文化的アイデンティティ |
Research Abstract |
24年度は、以下を明らかにするためにデータ収集を行った。① 在米日米国際結婚家族の家庭文化の鍵を握る日本人妻のアメリカ文化への「同一視」・「心理的距離」が、彼女らの生涯発達のどの時点でどのように形成されたのか。それが子育ての領域にどのように現れているのか。②夫婦関係を破綻または下降に導く心理的要因とそのプロセスはどのようなものか。 <平成24年度の調査の内容> 地域密着型のカウンセリング教育及び家族カウンセリング心理学研究で実績をもつ大学院等から紹介を受けた日米国際結婚の日本人妻18名、および青年期に達した日米国際児に対して、一回約2時間のインタビューを一人当たり2回以上行った。許可が取れた場合は、対象者の社会的コミュニティ(学校、プレイサークル等)での参与観察を行った。 <平成24年度の調査の意義と重要性> ①については、対象者の日本人女性のライフヒストリーを詳しく聞き取ることにより、彼女たちがどのような経緯でどのような想いで国境を越えていったのか、さらに生涯発達のどの時期にどのような要因により、アメリカ文化に対する「同一視」を形成したのか、それがどのように子育ての方略として現れているかが明らかになった。②については、妻の出身地域社会から切り離された国際結婚夫婦の夫婦関係を下降させる要因が、結婚に至る経緯・「夫婦観」のずれ・配偶者の出身文化に対する「同一視」の在り方に関係があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①一人当たり2回以上の面接を実施することで、夫婦関係・子育てについての心理的要因を対象者のライフヒストリーの文脈において解釈することができる。②面接法に臨床心理学的効果が認められるために、対象者が集まりやすかったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策は以下の点についての面接データをさらに蓄積することである。 ① 在米での国際結婚に至った日本人女性の国境を超える経緯とそこに関わる発達心理学的要因、②夫婦関係を維持させる心理的要因と下降に向かわせる心理的要因、③夫婦関係が国際離婚に至った場合、それが子どもの文化的アイデンティティに与える影響についての3点である。これには、国際離婚時に子どもを国外に連れ去った場合の関係国のルールを定めた国際条約であるハーグ条約への加盟が、在外国際結婚夫婦に具体的にどのような影響を与えるかについての資料的価値があると考えられる。
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