2011 Fiscal Year Annual Research Report
ロンドンにおけるニートおよび不安定就労層の実態と若年移行・就労支援政策の効果
Project/Area Number |
23402060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Soai University |
Principal Investigator |
佐野 正彦 相愛大学, 共通教育センター, 教授 (00202101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 彰夫 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (90168419)
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Keywords | 若年労働市場 / イギリス / コネクションズ / 雇用への移行 / 就労支援 / NEET / 不安定就労 |
Research Abstract |
本年度は協力研究機関であるロンドン大学教育学部(lnstitute of Education)と中央ロンドンコネクションズ(Central London Connexions)と協力し研究調査体制を確立し、「第一次調査」(聞き取り調査)の準備として、質問紙・ヒアリングの質問項目の作成、調査スケジュールの確定、調査対象となる若者の選定を行った(2011年4月~10月)。 当初予定していた予備調査(コネクションズの専門スタッフ(Project Worker)等へヒアリング調査)をフォーマルな形では行わず、コネクションズの専門スタッフの役割や彼らの若者の認識等の把握については、調査の調整会議やメール等での意見交換のなかで把握するにとどめた(2011年4月~10月)。 2011年12月から2012年2月まで、調査方法や質問項目の適切さについて検証するために、「第一次調査」のプレ調査を開始した。3月初旬にロンドン大学教育学部および中央ロンドンコネクションズのスタッフとともにプレ調査結果の検討をおこない、それにもとづいて、質問項目や方法、スケジュールについて必要な最終調整・修正を行った。その後、3月中旬より「第一次調査」を実施し、2012年5月中旬には終了する予定である。 現在までに、インタビュー調査の完了したサンプル数は44名に達し、当初の目標の40名を超えた。しかし、当初予定のサンプル要件を満たさなかったり、NEETリスクに関していくつかのカテゴリーに関わるサンプルが欠落していたり、男女および年齢のバランスを欠くなどのサンプル構成の不備・不均等を是正するために、若干名のサンプルを補充して「第一次調査」を継続中である。 現在までの調査によって、以下のことが把握されつつある。コネクションズのプログラムの対象となっている若者の、移行リスクを構成する諸要因・背景、これまでの教育経験、現在の活動、日常生活、コネクションズのプログラムへの評価、将来の計画、キャリアプランなどである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コネクションズの統廃合が進められる中、コネクションズに関わる若者の調査をなるべく早く実施する方がよいとの判断の下、当初は平成24年度8月以降に実施する予定の「第一次調査」を、23年度の下旬に前倒しして実施した。そのために予定していた予備調査を省略したが、英国スタッフとの打ち合わせ会議やメールでの情報交換により、予備調査の目的は十分に補足できたので、本調査は問題なく進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)「第1次調査」の分析 9月中旬に、ロンドン大学(IOE:Institute of Education)の調査スタッフおよび中央ロンドンコネクションズのスタッフと調査結果の分析を行う(佐野が渡英)。 (2)「第二次調査」の打ち合わせ・準備と実施 「第一次調査」以降の彼らの移行経路や経験、訓練や学習経験、就労経験者には、就業形態、労働条件、職場環境、仕事内容、訓練の有無やその詳細、就業の経緯、離転職の有無や理由、および支援機関から提供されたサービス内容やその効果についてたずねる「第二次調査」の計画を策定する。 (3)「第二次調査」を2013年1月から3月にかけて実施する。
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Research Products
(3 results)