2013 Fiscal Year Annual Research Report
ロンドンにおけるニートおよび不安定就労層の実態と若年移行・就労支援政策の効果
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23402060
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
佐野 正彦 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (00202101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 彰夫 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (90168419)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 若年雇用 / NEET / 若者支援 / コネクションズ / 学校から仕事への移行 / イギリス |
Research Abstract |
(1)イギリスのロンドンにおいて、学校から雇用への移行に困難やリスクを抱える若者を対象とした3年間の追跡調査の3年目調査を実施した。中央ロンドンコネクションズに登録し、そのプログラムに参加した若者のうち、2次調査まで捕捉できている若者に対しセミ構造化したインタビュー調査を実施して、①NEETと呼ばれる失業者や非労働力化した若者、およびそのリスクを抱えた若者を対象として、彼らのコネクションズのプログラム終了以降の活動や意識状況の変化、②求職活動や就労に対してプログラムの与えた影響や効果を追跡した(2014年1月~2月)。 (2)また、コネクションズの若者支援プログラム担当者や個々の若者に対しアドバイスやカウンセリングを行う専門スタッフに対してもインタビュー調査を実施し、若者の状況、若者支援プログラムの実際や効果等について明らかにして、上記調査の補完をした。(2014年1月~2月)。 (3)若者の「学校から仕事への移行」にかんする国際比較を目的としたシンポジュウムを開催し、英国、スイス、韓国において若者の移行過程のパネル調査をリードしてきた研究者を招聘し、佐野・乾が関わってきた日本の移行調査との比較、研究交流を行った(「若者パネル調査の国際比較:学校から仕事への移行はどれだけ不安定化したか」、若者の教育とキャリア形成に関する調査研究会(代表乾)、首都大学東京「国際交流会館」、2013年10月12日)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロンドンのコネクションズから支援を受けた若者を3年間にわたって追跡するセミ構造化したインタビュー調査を3回にわたり実施し、当初予定していたとおり、2014年3月までに終了した。若者支援に関わる専門スタッフへの聞き取り調査も、2014年2月までに実施、終了した。 また、英国を中心とした若者の移行に関する研究者との研究交流も進展し、本科研調査の協力機関であるロンドン大学の研究者との研究成果の交流を始め、日、英、スイス、韓国において若者移行に関するパネル調査をリードしてきた研究を招聘して、国際シンポジュウムも開催・実施した(2013年10月12日)。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、①すでに実施した若者パネル調査と若者支援サービスに関わった専門スタッフへの聞き取り調査の詳細分析、②またそれらの成果を補うべく、プロジェクトワーカーなどの若者支援に関わる専門スタッフや、コネクションズや地方当局の政策担当者などへの聞き取りによる補足調査を実行し、さらに、③研究成果の内外での発表、若者支援政策や若者の実態調査に関わってきた日本および英国の研究者との研究成果の交流を行う。 ①調査結果の詳細分析では、(ア)NEETのリスクを抱えた若者たちの3年間にわたる移行経路や経験、訓練や学習経験とともに、就労経験者には、就業形態、労働条件、職場環境、仕事内容、訓練の有無やその詳細、入職の経緯・手段、離転職の有無や理由、(イ)支援機関から提供されたサービス内容やその後の移行過程における効果や影響、(ウ)また広く彼らの人間関係資本などを中心とした日常生活と、その仕事への移行、若者支援サービスの効果への影響や規定関係を、分析をする。 本研究調査に直接または間接的に協力していただいた、ロンドン大学(IOE: Institute of Education)の調査スタッフおよび中央口ンドンコネクションズのスタッフとは、日常的にメール等を通じて調査結果の分析を行うとともに、9月には渡英して最終的な分析の取りまとめを行う予定である。 ②本調査の対象である、中央ロンドンコネクションズによる支援対象となった若者が参加した代表的な支援プログラムである、B2B(Back to Busjness)、YOT(Youth O什ending Team Programme)、Prjnces Trustについて、それぞれ運営組織関係者へのインタビュー調査を行う(①と同時期の9月上旬)。 ③国内の学会、英国での研究セミナーや学会等において、上記研究成果の発表を行う。
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Research Products
(6 results)