2011 Fiscal Year Annual Research Report
20年後の「日本留学」の意味:インドネシア人日本留学体験者のキャリアから考える
Project/Area Number |
23402062
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有川 友子 大阪大学, 国際教育交流センター, 教授 (30271448)
|
Keywords | 教育学 / 留学 / キャリア / 日本留学体験者 / インドネシア / 日本 / 大学 / 大学教員 |
Research Abstract |
平成23年度の研究成果: 本研究ではグローバル化の進む高等教育においてますます盛んになっている「留学」について長期的に検討するにあたり、研究代表者が1990年代始めに日本において行ったフィールドワークにて対象としたインドネシア人留学生について、20年近く経過した今日、インドネシアにおいて日本留学体験者のその後についての追跡調査として研究を行った。 具体的には、平成23年8月下旬の約2週間、インドネシアの中部ジャワの大学に現在大学教員として勤務する元留学生で、日本におけるフィールドワークでインフォーマントとして協力を得ていた6名を訪問し、今日のキャリアの状況と家族との生活について、インタービューを中心に調査を行った。 その結果、これら元留学生たちが、日本留学時に理科系の大学院生として経験した「研究室」のシステムの中で、例えば学生間で教えあうこと、研究をグループで進めることなど、特に教育と研究について、可能な範囲で、インドネシアの大学でそれぞれ所属する学科等において活用し、それぞれ大学教員としての教育研究システムを作っていたことがわかった。 しかしながら、それは日本の研究室そのままではなく、元留学生たちが良いと判断したもの、もしくは元留学生たちがインドネシアでのコンテクストに活用できる、と判断したところについて、活用していた。そこに元留学生たちの主体的選択的な判断があった。 本研究を通して、インドネシア人大学教員のケースについて、20年後の日本留学の重要な意味が明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに、平成23年度は元留学生で現在インドネシアにおいて大学教員となっているインフォーマントのキャリアや家族についての今日の状況について研究調査を行うことができて、成果もあがった。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、平成24年度は日本留学経験者のうち、ジャカルタの官庁勤務の元留学生についての追跡調査を行う予定である。
|