2011 Fiscal Year Annual Research Report
原子核乾板による暗黒物質の検出 ーグランサッソー地下の中性子BGの測定ー
Project/Area Number |
23403003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 光廣 名古屋大学, 現象解析研究センター, 准教授 (90183889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 敏行 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50345849)
佐藤 修 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20377964)
中 竜大 名古屋大学, 高等研究院, 助教 (00608888)
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Keywords | ダークマター / 原子核乾板 |
Research Abstract |
原子核乾板を用いて宇宙の暗黒物質の飛来方向を検出する実験の予備実験を、イタリアグランサッソー研究所を中心に展開している。平成23年度は我々が遂行している長基線ニュートリノ振動実験OPERAで使用している地下の現像リフレッシュファシリティの内、リフレッシュに使用し今は使っていない2階部分を本研究に使用出来るように改造し整備した。地上の中性子フラックスは地下の1000倍以上あるため、地下で乳剤を塗布現像する予定である。 また並行して本研究に使用する中性子にのみ感度のある原子核乳剤の開発を行いd-d反応やカリフォルニウムからの中性子を用いて感度試験を行った。読み出しに関しては、中性による反跳OPERA型フィルムを貫通することがない様な低エネルギーの飛跡を認識するために、乳剤に記録された銀粒子を形状認識し、長さ1ミクロン程度の反跳陽子の飛跡も認識できる装置PTSの開発を行って居る。23年度はPTSの原型をくみ上げ画像認識の試験などを行いサブミクロン飛跡の認識に関しても定量的な評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グランサッソーで協力してくれる研究者の都合で、OPERAで使用しているファシリティの立ち上げが約2~3ヶ月程度遅れており、それに伴って経費の繰り越しを行っている。平成24年度も引き続きスケジュールの遅れを引きずっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後以下の開発を推進し、当初目的であるグランサッソー地下での中性子測定を達成する。1)中性子測定用の原子核乳剤のファインチューニング。(感度、経時特性など)2)極短飛跡読み出しののための装置のポリッシュアップ。(飛跡認識アルゴリズムの開発、装置の駆動系の開発。)3)実際の中性子源にファインチューニングできた1)の乳剤を照射し、2)で開発する装置を用いて読み出し、認識効率の測定、モンテカルロとの比較などを行う。 これと並行して、1)の乳剤をグランサッソー研究所に持ち込み地下での塗布を行い、半年程度の照射を繰り返し、ちかでの中性子シグナルを検出する。その後量的拡大を行い、測定精度を向上させ、季節変動のシグナルをとらえることを目指す。
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