2011 Fiscal Year Annual Research Report
独立成分分析による海洋ダイナモが豪大陸内陸の地磁気変動に与える影響の解明
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23403004
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市來 雅啓 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (80359182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 清士 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00283862)
須賀 利雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70211977)
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Keywords | 海洋ダイナモ / 潮流 / 地磁気変動 / 電気伝導度 / 海洋潮汐 |
Research Abstract |
今年度の実施計画は(1)豪大陸の磁場データの収集(2)長基線地電位差観測の継続(3)学会での情報収集・成果報告であった。(3)は2011年7月にメルボルンでの国際学会に参加し、豪州の上部マントル電気伝導度は無水条件下の大陸上部マントルの地球化学モデルと整合的で、解析データに問題があるカナダの結果とも偶然同じであった、という成果発表を行った。発表は概ね好評で、カナダの研究者と暫く情報を交換した。(3)の学会参加と同時にキャンベラを訪問し、共同研究者との総括及び(1)の磁場データの収集を行った。20年前の磁場データは予想に反してCD-ROMに整理されており、収集する手間が省けた。データの一次処理は完了しておらず、平成24年度早期に一次データ処理完了の課題が残った。(2)は観測点2点中1点は12月時点までデータを順調に収録できていた。2011年2月に設置したもう一つの観測点は同軸ケーブルを保護管で保護していたが、豪州の野生の犬によってケーブルを噛み切られ、データは2週間前後しか取得できなかった。日本の野生動物では考えられず、この点は大きなダメージであった。当初の実施計画に入っていなかったが、地電位差データを解析する上で観測点補正(スタティックシフト)の補正が必要になり、2012年2月に観測点近傍での磁場の1週間の時間変動観測を行った。現在補正の解析を進めている。その際地電位差観測の保守も行ったが、順調であった観測点でも地権者が変わった為、埋設していたケーブルが掘り返され、4本中2本のケーブルが切断されていた。これまでの4年間の解析で周期20000秒程度までのMT変換関数が得られているが、更に長周期のデータを取得する為観測を継続する必要がある。共同研究者と相談し、現在観測が失敗しているもう一つの観測点(州政府公有地)のケーブルを埋設し、そちらでの観測を継続させる方針を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の目的は磁場データの一次データ処理まで今年度中に終わらせる予定であったが、完了していない。ただし、十分に回復できる程度の遅れである。もう一つの問題は、埋設していた地電位差ケーブルがダメージを受けた点である。この点は遅れたというより後退したという状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
データ処理・解析に関しては特別な方策は必要ないと考えているので、申請書通りの平成24年度のメインの解析プログラムの開発と同時に一次データ処理も並行して行う。 地電位差計測ケーブルの破損に関しては、新たな埋設を行う方向である。
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