2012 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星-地上ネットワークによるオーロラと電磁波動の高時間分解能観測
Project/Area Number |
23403009
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
塩川 和夫 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (80226092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 由純 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (10377781)
家田 章正 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (70362209)
尾崎 光紀 金沢大学, 電子情報学系, 助教 (70422649)
片岡 龍峰 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (90462671)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 磁気圏・電離圏 / 宇宙科学 / 超高層物理学 / 超高層大気環境 / 宇宙空間 |
Research Abstract |
・平成24年9月にカナダのアサバスカ観測点において、それまで観測所の建物近くに設置していたループアンテナを観測所から約200m離れた場所に移設し、低ノイズのVLF波動観測の実現に成功した。この設置後、100kHzの高時間分解能観測を1日24時間自動観測し、平成24年度末まで継続している。また、同じく平成24年9月に同観測点にEMCCDカメラを設置し、100Hzの高時間分解能のオーロラ撮像観測も平成24年度末まで継続した。これにより、半年間以上のオーロラとVLF波動の高時間分解能同時観測のデータが得られた。これらのデータの初期解析を開始している。 ・アサバスカ観測点で以前から継続している高感度単色全天カメラ、プロトンフォトメータ、誘導磁力計の自動定常観測は、平成24年度も維持・継続し、得られたデータはWebページで公開した。これらの観測から得られるデータを、THEMIS衛星やFAST衛星の観測と組み合わせた解析を行い、オーロラに伴う磁気圏-電離圏結合過程の詳細を調べた。 ・特に、イオンサイクロトロン波動によるPc1地磁気脈動に伴って発生している孤立プロトンオーロラの空間的な広がりを全天カメラの多点観測データから明らかにしたり、高感度単色全天カメラで大気光画像中に観測される伝搬性電離圏擾乱の統計的な特性を明らかにしたり、THEMIS衛星とFAST衛星で磁気圏と電離圏でそれぞれ観測されたオーロラ粒子を比較して粒子降り込みの機構を明らかにするなどの成果が得られている。これらの観測で得られた成果を国内外の学会や研究会で発表し、共同研究を推進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、カナダで観測候補地を選定し、平成24年2月及び平成24年9月以降に集中キャンペーン観測を実施することができた。この観測から、様々なタイプのホイッスラー波動やEMIC波動が観測されたり、波動粒子相互作用の空間スケールに関する新たな発見が得られたり、と、様々な成果が挙げられている。これらのことから、本研究計画はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では平成25年度、平成26年度はこれまで得られたデータを解析して成果を挙げていく段階に入る。平成25年度以降も、カナダ・アサバスカ観測点に設置され、自動定常観測を継続している光学観測機器、誘導磁力計、VLFアンテナによる観測を維持・継続し、データの蓄積をはかるとともに、平成24年度に打ち上げられた米国Van Allen Probe衛星(旧名RBSP衛星)との共同観測を行っていく。得られたデータをデータベース化して公開し、世界の関連研究者と共同研究を推進する。
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Research Products
(25 results)