2013 Fiscal Year Annual Research Report
新原生代の気候激変と動物進化を関連付けるDOXAM仮説の検証
Project/Area Number |
23403014
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
狩野 彰宏 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (60231263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 千鶴 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (10568348)
長谷川 卓 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (50272943)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 動物進化 / 新原生代 / 全球凍結 / 安定同位体 / 海綿動物 |
Research Abstract |
今年度は,貴州大学の王教授の協力のもと,中国貴州省とブラジル国バーイア州において地質調査と試料採集を行った。特に,昨年度の調査で海綿動物と思われる化石が産出した新原生界ドシャント層の深海相に焦点をしぼった。2つのセクションから合計150個の岩石試料を採集し,岩石から薄片を作成するとともに,共同研究者である長谷川と協力して有機・無機炭素およびストロンチウム安定同位体比の測定を行った。その結果,ドシャント層の海綿骨片化石が検出がガスキエス氷河期に関連したものであると認定された。 また,昨年度ブラジルから採集した海綿様化石を含むスロンボライト試料についての研究も進めた。共同研究者である高島が作成した薄片からは,動物の卵のような構造が認定された。卵の中には発生の中間段階のものも含まれ,その形態は現在の海綿動物の胚といくつかの類似点を持つ。さらに,無機炭素およびストロンチウム安定同位体比の測定結果は,ブラジルのスロンボライト層準はマリノアン氷河後,ガスキエス氷期以前のものである可能性が示唆された。すなわち,ブラジルの試料の方が中国の試料よりも明らかに古い。 より以前のキオゲニアン紀の海綿様化石の帰属に疑問が提示されている学術的状況を考慮すると,中国とブラジルでの研究結果は「海綿動物の出現はエディアカラ紀前期である」という可能性を再考する必要があるだろう。海綿動物はその進化の直後には骨片を持たず,ガスキエス氷期に関連した捕食動物の進化後に,防御器官として骨片を持ったと考察できる。 なお,今年度はドシャント層の深海相からの産出化石に関する論文を1編公表するとともに,海綿動物の進化に関する学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の結果をうけて,貴州省で追加採集した試料中に期待通りの海綿骨片が認識され,その後に行った同位体化学層序により,その層準の世界的対比が確定した。また,ブラジルの試料についても研究が進展し,卵から幼生に至ると思われる構造の時系列的変化が確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はブラジル・バーイア州において追加の調査を行う予定である。これにより,スロンボライトの海綿起源を明らかにするためのサンプリングを強化し,周辺の地質構造と層序を綿密に調査し,その帰属を明らかにし,「骨片の無い海綿」の進化についての考察を進める。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Ediacaran mineralized microfossils from the basinal facies of the Doushantuo Formation in northwestern Hunan Province, South China2013
Author(s)
Furuyama, S., Kano, A., Kuminitsu, Y. Osanai, Y., Adachi, T., Liu, X., Wang, W.
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Journal Title
Paleontological Research
Volume: 24
Pages: 222-232
Peer Reviewed
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