2012 Fiscal Year Annual Research Report
ドミニカ共和国における遠隔手法と数値モデルを組み合わせた沿岸環境管理手法の開発
Project/Area Number |
23404001
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西嶋 渉 広島大学, 環境安全センター, 教授 (20243602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作野 裕司 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20332801)
奥田 哲士 広島大学, 環境安全センター, 助教 (60343290)
陸田 秀実 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80273126)
中井 智司 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80313295)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | リモートセンシング / クロロフィルa / 濁度 / ドミニカ共和国 |
Research Abstract |
1. 現地調査 沿岸環境は安定ではなく、現地の環境特性を把握するためには少なくとも3年程度の定期観測が必要であると考えられたことから、首都サントドミンゴを流下するハイナ川やオザマ川、両川の河口沿岸域(東西180km、南北80km)を対象として、引き続き現地での水質分析を継続し、懸濁物質やクロロフィルa、栄養塩(全窒素や全リン)などの分析を行った。 2. リモートセンシング技術開発 現地での調査によって得られた分光反射率と懸濁物質の濃度、ならびにMODIS海色センサによる沿岸域のクロロフィルa濃度分布、Terra/ASTER熱赤外センサといった衛星データを比較しながらハイナ川河口部の懸濁物質濃度分布を定量化した。その際、特にSSの定量には、近赤外バンドの反射率が有効であることが確かめられた。さらに、解像度は粗いが時間分解能の高い中分解能衛星データ処理を行い、同河川から流出する懸濁物質濃度の時系列的な変化を概略把握することができるようになった。 3. 数値モデル開発 首都サントドミンゴ沿岸域の海底地形、潮位データを整備し、海洋流動シミュレーションモデルを構築した。また、ハイナ川から流出する浮遊粒子状物質と懸濁物質について移流拡散シミュレーションを実施し、衛星リモートセンシング画像を用いて定性的比較を行い、その妥当性を検証した。さらに、この海域の汚濁物質の移流拡散は、南西方向に卓越していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展しているが、ハリケーン来週時の水質分析が行えていない。この点については、現地サントドミンゴ自治大学の教員の協力を得ながら進める。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 現地調査 沿岸環境の特性を把握するためには、3年程度の定期観測を継続する必要があり、引き続き調査を続ける。9月周辺に襲来するハリケーンの規模、頻度が沿岸環境に及ぼす影響については、上述のようにサントドミンゴ自治大学の教員の協力を得ながら進める。その上で、年間に両河川から沿岸域に流出する栄養塩の量を明らかにする。 2. リモートセンシング技術開発 これまで開発してきたリモートセンシング技術をオザマ川に適用する。その際、現地観測データをモデルの検証に適用する。 3. 数値モデル開発 現地調査データに基づくモデルの妥当性評価を継続する。最終的には、河川からの栄養塩などの負荷量を計算すると共に、河川水由来の栄養塩による植物プランクトンの増殖範囲も推定していく。
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Research Products
(3 results)