2013 Fiscal Year Annual Research Report
スリランカにおける飲料水中の高濃度フッ素の現状把握と鳥骨炭による除去
Project/Area Number |
23404003
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
川上 智規 富山県立大学, 工学部, 教授 (10249146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袋布 昌幹 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50270244)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | スリランカ / フッ素 / 鳥骨炭 / 地下水 / アパタイト |
Research Abstract |
スリランカの北部や南東部の乾燥地域では、地下水中のフッ素濃度が高く、フッ素症を患っている住民が多数存在する。しかしながら30年以上継続した内戦の影響により、フッ素の濃度分布は調べられてこなかった。そこで本研究では、スリランカ全土の井戸水の水質を調査した。調査地点は1300か所であり、フッ素をはじめとして、主要なイオン成分と重金属類を分析した。フッ素、硝酸イオン、硬度についてはGISを用いて濃度の分布マップを作成することにより地理的な特性を把握した。このマップはスリランカで1000部配布した。フッ素濃度の高かった地域については、詳細な調査を行い、コミュニティの中でフッ素濃度の低い井戸を探し、住民にその井戸を飲料用として利用することを促した。 フッ素除去法として鳥骨炭を用いたフィルターを作成し、スリランカの北部でフッ素濃度が高い地域に属するダンブッラ市の一般家庭に設置して7か月間使用してもらい、性能を確認した。この家庭の井戸のフッ素濃度は1.8mg/Lであったが、鳥骨炭560gを用いたフィルターで約1400Lの水を、スリランカの飲料水基準である0.6mg/Lにまで低下させることができた。実験室で構築した一次反応式に基づくモデルをこのダンブッラでの試験運転に適用した結果、ほぼ実際の処理水質を再現することができた。 本研究を実施中に、鳥骨炭は溶液中にカルシウムがあるとフッ素の吸着量、並びに吸着速度も数倍に上昇することが判明した。このことは、従来からフッ素除去のメカニズムとされている、フルオロアパタイト中の水酸基とフッ素イオンとがイオン交換する、ということでは説明がつかない。そこで溶液中のイオン成分を詳細に調べた結果、溶液中のフッ素ならびにカルシウムと骨炭に含まれるリン酸によって、フルオロアパタイトが生成し、フッ素が溶液から除去されている可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(20 results)