2013 Fiscal Year Annual Research Report
ガンジスデルタの堆積構造に基づく広域的地下水ヒ素汚染機構の解明
Project/Area Number |
23404013
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
真野 明 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (50111258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 良信 東北学院大学, 工学部, 教授 (10111246)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ヒ素汚染 / 分配係数 / 吸着・脱着反応 / 持続可能性 |
Research Abstract |
地下水の高ヒ素帯水層は、表層付近に見られ、特に南部で高くなっている。 表層帯水槽の土砂を分析し、ヒ素の含有量とFe、Mn、Alの含有量との相関が高いことがわかった。これらの成分は、粘土鉱物に含まれることから、ヒ素と錯体を形成し、細粒土砂に取り込まれたと考えることができる。ヒ素の吸着は、酸化状態で起こることから、大河川の中で流送中に多くの酸素を含んだ状態で粘土鉱物と反応し吸着したと推測できる。 一方、表層帯水層の地下水を分析したところ、ヒ素の含有量とFe、Al、DOC、HCO3との相関が高かった。この事から帯水層の中では、還元状態であり、ヒ素、Fe、Alが共に溶出したものである。還元状態をもたらしたのは、炭酸であり、有機炭素濃度が高いことから、生物起源であることがわかる。表層の勾配は非常に小さいことから、滞留した水に藻類が繁茂して有機炭素が地中に多く取り込まれた可能性が高い。 さらに河口付近の深層では、海水の影響と考えられるNaイオン濃度が高く、ヒ素濃度は低い。Naイオンはヒ素を溶出させる能力が高いが、土砂中のヒ素濃度が低いために、水中のヒ素濃度が低くなったものと考えられる。したがって、深層地下水は、ヒ素濃度が低く安全な水資源の重要な候補であるといえる。 最後に、深層地下水を取水した場合の地中のヒ素輸送について解析を行った。下層の地下水を汲み上げた場合、上層の高濃度ヒ素汚染した地下水が、下層に移動し、汚染を拡大する恐れがあるからである。地中の各層の溶出吸着特性を同定し、ヒ素の輸送解析を行った。その結果、上層の地下水が下層に達するまでに、含まれているヒ素は大部分途中の土砂に吸着され、下層までは汚染が広がらないことが確かめられた。 以上から、深層地下水は、ガンジスデルタにとって安全な水資源であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)