2012 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシング手法による東アジア湖沼の生態系情報解析手法の開発
Project/Area Number |
23404015
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Section | 海外学術 |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福島 武彦 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90124354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 文経 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80361319)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リモートセンシング / 生態系 / アジア / 湖沼 / 水草 |
Research Abstract |
(1)海外湖沼調査 2012年7月、2013年1月に中国雲南省のLake Elhai、2012年7月にインドネシアジャワ島のSeguling貯水池、2012年10月にはインドネシアスラベシ島のTempe湖、2013年3月には同じくTondano湖、Limboto湖の調査を行い、水色、水草の反射スペクトル特性を計測した。そうした調査の際には、中国科学院水生生物研究所やLIPI/Center for Limnologyの研究者が同行し、水分析などを担当してもらうとともに、各種資料や連続データの提供を依頼した。また、そうした湖沼の衛星画像データを取得し、前処理を行うとともに、下記のアルゴリズムの適用などを行った。 (2)新アルゴリズムの開発 まず、反射スペクトルから、水中粒子の吸収係数、反射係数などのIOPsや消散係数、有光層厚さなどを推定するアルゴリズムを開発し、霞ヶ浦、琵琶湖、Lake Elhaiなどのデータで検証を行い、良好な結果を得た。このような方式の確立により、衛星画像から水域の水質、生物活性などの情報を推測することが可能となった。次に、アオコと浮葉・抽水植物を分離する手法の開発を行った。現地でアオコの反射スペクトルを測定し、浮葉・抽水植物のそれと比較した結果、近赤外域および中間赤外域で明瞭な違いが見られた。この結果を基に、衛星の近赤外・中間赤外域の観測帯を利用してアオコと浮葉・抽水植物を分離する新しい指標を作成した。霞ヶ浦のアオコ、および印旛沼の浮葉植物が撮影された時期のLandsat画像にこの指標を適用した結果、閾値を設定することにより両者が分離可能であることが示された。この指標とNDVIを用いた浮葉・抽水植物の抽出手法を組み合わせることにより、衛星画像から浮葉・抽水植物とアオコの分布をそれぞれ分離してマッピングする一連のスキームを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外湖沼の現地観測、アルゴリズの開発ともに、当初の予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
海外対象湖沼の衛星画像解析を行い、観測値との比較検証を行うとともに、年間変動などを明らかにする。アルゴリズムとしては、一次生産量の推定方式を確立し、現地データで検証する。
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