2014 Fiscal Year Annual Research Report
インド洋津波後の都市復興計画の検証と地球温暖化によるアジア都市の津波リスク評価
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23404019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村尾 修 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (70292753)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 2004年インド洋津波 / 津波リスク / 地球温暖化 / 都市復興 / スリランカ / バンダ・アチェ / 海面上昇 / タイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「A:2004年スマトラ沖津波被災地の復興の検証」と「B:都市の津波リスク評価手法の提案」の2つの大テーマと5の小テーマにより構成される。平成26年度は、Aの中で、津波後に実施された3カ国)(スリランカ、タイ、インドネシア)の都市復興計画および防災計画の情報に基づき、復興過程を定量的に示す復興曲線を用いて比較を行い、書籍として公表するとともに、バンダ・アチェで開催された被災10周年記念のシンポジウムで招待講演を行った。またスリランカの被災者を対象とした移転後の生活環境に関する調査結果をまとめ、整理した。Bについては、津波避難に関する評価法を提案するとともに、バングラデシュのベンガル・デルタやオランダの平定地での水害リスク対策に関する情報を収集した。さらに、地球温暖化時代の都市リスクについて、学会等で議論を重ね、包括的に整理した。2013年には、気候変動の影響と考えられるスーパー台風ハイエンがフィリピンの沿岸部に大きな被害を与えた。そのため、レイテ島などの沿岸部被災地でも調査を実施し、沿岸部の高潮被害のリスクについても分析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は仙台で開催された第3回国連防災会議パブリック・フォーラムの一環として会議イベントを主催し、スマトラ沖地震インド洋津波の被災地より各地のコミュニティーリーダーを招聘した。当該研究に必要な情報を現地の被災者らから直接収集することが出来た。また現地へも出向き、「B:都市の津波リスク評価手法の提案」のための調査を行い研究を遂行した。これは交付申請時の研究計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる平成27年度は世界自然保護基金(WWF)調査対象地(アジアの11都市)の情報を整理し、海面上昇による津波リスクがどのように高まるのかについて考察する。そして平成26年度に実施した津波リスク評価手法の適応可能性について検討し、評価手法を提案する。また、5年間の研究を総括し、成果を印刷物としてまとめるとともにインターネットでも公開し、積極的に国際会議、論文等で広く発表していく。 なお、平成26年度にインドネシアのシャクアラ大学数理学部と当大学災害科学国際研究所が部局間学術交流協定を締結し、バンダ・アチェ市長との連携も深まったことにより最終年度に向けて更なる展開が期待できる。
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