2012 Fiscal Year Annual Research Report
中国における社区参加と自律改善のための選択可能な社区空間マネジメント
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23404025
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60139516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 奈芳美 金沢工業大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10424798)
真野 洋介 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (70329134)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 社区 / コミュニティ / 住環境 |
Research Abstract |
本研究は、社区に着目して、組織化された社区運営体制を持つ杭州市と、自律的な社区改善がうまれつつある上海市を対象として研究を行うものである。以下、それぞれの実態に合わせて調査・分析を行った。 杭州に関する研究:浙江大学との連携の中で、前年度のプロジェクトから出た課題をもとに、継続したコミュニティ連携による地域改善のための検討を行った。杭州市の歴史を文献調査で明らかにし、都市の全体の位置づけを再確認した後、ヒアリング、空間調査などの現地調査を行い、住環境改善、コミュニティ連携のための提案を作成した。対象としたのは、前年度に引き続き望江地区と湖浜地区である。その中で、コミュニティ構成員の地域への認識分析を行い、今後の改善へのコミュニティ連携のための課題を明らかにした。また、コミュニティの中で主体となるグループの形成と連動した空間形成のあり方を提案した。具体的に対象としたのは、都市内に取り残されたアーバンポケットとなる地域である。この地域において、悉皆調査としてコミュニティにヒアリングし、権利別・立場別の課題と住環境の空間実態を明らかにすることで、コミュニティとの連携スキームの考察を行った。ただし、平成24年度は現地調査が困難となる社会状況となり、調査は平成25年度に継続された。 上海に関する研究:態勢の実態と形成された社区環境の空間分析として、前年度の全体像の実体解明から、特に態勢が自律的なもの、および社区空間が変化したものについて、さらに詳細な分析を行った。主体へのヒアリング調査、及び空間の調査を行い、中国独自の景観や空間構成の原理を踏まえた、社区の自律運営に資する環境形態である「環境アーキタイプ」の検討を行った。その中では、創造的産業の勃興からうまれた自律的な運営主体と、それまでの住環境レイヤーとのギャップから、新しいアーキタイプがうまれつつある実態が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度はさらなる現地調査を行う予定であったが、政治状況の変化など、現地調査が困難になる環境変化があり、現地調査の実施が9月以降実施できなかった。また、現地行政との協力関係も昨年は中断してしまった。今後は再度関係構築につとめ、集中した作業の中で分析を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、杭州では現地調査を集中的に、効果的に行うために、現地での調査・議論・分析を集中的に行うような調査計画を作成し、実施する。その中では、集中した作業の成果として、現地大学との連携のもと、これまでの研究を踏まえて「社区空間マネジメント・プログラム」を作成する。上海では、これまでの調査で不透明であった部分を補完するための調査を行い、自律運営に資する環境形態「環境アーキタイプ」を明らかにする。そのために、さらなる主体へのヒアリングから、運営の自律的体制の実態を明らかにする必要がある。 これらを実施するために、現地との協力関係の再構築が必要である。
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Research Products
(6 results)