2012 Fiscal Year Annual Research Report
虫媒性劇症ウイルス発生地のインドネシアにおける耕種的防除法の確立
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23405020
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
村井 保 宇都宮大学, 農学部, 教授 (90284091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏秋 知英 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10134264)
西川 尚志 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (60361614)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 植物 / ウイルス / 媒介虫 / 耕種的防除 / 天敵 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
本研究では、激発地のインドネシアで難防除害虫のコナジラミ、アザミウマ、アブラムシおよびその天敵を探索し、圃場レベルの各種耕種的防除法(障壁植物、ネット、農薬、抵抗性品種など)を検討するとともに、病原ウイルスを遺伝子レベルで比較・解析して弱毒株を選抜し、インドネシア・日本の双方で通用する総合防除法の確立を目指すことを目的としている。具体的には、1)ウイルス媒介虫の発生生態の解明と天敵の探索、2)ウイルスの総合的防除法の確立、3)病原ウイルスの遺伝子の解析と弱毒ウイルスの選抜、の3項目を目標としている。平成24年度はこの3項目のうち、1)ではタバココナジラミ、オンシツコナジラミおよびspiralling whiteflyのウイルス病罹病作物での発生とアブラムシの天敵のアブラコバチの発生を確認することができた。2)については、赤色ネットのコナジラミ類忌避効果試験を現地で開始するとともに、アブラムシに対するダイズの抵抗性を評価した。3)については、コナジラミ伝搬ウイルスのうち両国で大発生しているToCVの全塩基配列を決定し、ELISA診断のための抗体を開発した。さらに、インドネシアでピーマン葉脈黄化ウイルス(Pepper vein yellows virus, PeVYV)に近縁のウイルスを初めて発見し、その遺伝子解析を実施した。また、インドネシア研究者と「New Issue on Virus and Vector Interaction」というシンポジウムを開催し、防除法の確立に向けて意見交換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
近年、コナジラミやアザミウマによる難防除虫媒性ウイルスが世界中で問題となっており、本年度においてもインドネシアで研究材料を順調に収集した。コナジラミ類の耕種的防除として、赤色ネットの効果検証試験を開始した。インドネシアのダイズ品種を入手でき、アブラムシに対する抵抗性評価についても検討し、いくらかの品種で抵抗性を持っていることを明らかにした。この間、全く発生を予想していなかったPeVYVをインドネシアで発見し遺伝子解析を実施したことは、インドネシアの植物ウイルス学上画期的であり、当初の計画以上に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も難防除虫媒性の強毒ウイルスが激発しているインドネシアにおいて、1)ウイルス媒介虫の発生生態の解明と天敵の探索、2)ウイルスの総合的防除法の確立、3)病原ウイルスの遺伝子の解析と弱毒ウイルスの選抜、の3項目を目標として研究を推進する。本年は最終年であるので、媒介虫の圃場内侵入を阻止することが近年国内の研究でわかってきた赤色ネットの効果を検証し、総合防除法としての導入を図る。
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Research Products
(4 results)